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「反省して。練習してほしい」巨人・阿部監督がスクイズ2度失敗後に決勝タイムリーの23歳に苦言

スポーツ報知 2024年9月2日 5時20分

◆JERA セ・リーグ 阪神1―3巨人=7回降雨コールド=(1日・甲子園)

 怒とうのバント攻撃で相手を揺さぶった。激しい雨が降る甲子園。阿部慎之助監督(45)は次々に小技のサインを出して勝負に出た。同点の7回に犠打やスクイズを絡めて2点勝ち越し。直後の守備でリードを守り、7回裏終了後に20分間の中断を経てコールドゲームが宣告された。「大きな1勝だと思います」。執念で勝負の9月の白星発進を決めた。

 7回、先頭の大城卓が左前安打で出塁。代走に増田大を送り、続く吉川が三塁線にバント。内野安打と三塁・佐藤輝の一塁悪送球が重なり無死一、三塁になった。「相手のミスもあったけどいい形ができた。すごい絶妙なバントだったし足が速いのは武器だと思う」と絶賛した。続く門脇は2球目に走者が転がってからスタートするセーフティースクイズもファウル。3球目は走者が投球と同時にスタートするスクイズに切り替えてまたもファウル。カウント1―2から打って中前に決勝打を放ったが、阿部監督は当然、手放しで褒めることはしなかった。

 「その前にちゃんと(スクイズを)決めていれば1点取れていたと思うのでそこは反省して。結果オーライになってしまったんですけどね。だから僕はあまり喜んでいなかったんですけど。本人も反省していると思うし。ああいう作戦は今後増えていくと思うので練習してほしいと思います」

 門脇の適時打の後、なお無死一、三塁から8番・小林が初球を三塁前に完璧なセーフティースクイズ。三塁・佐藤輝が本塁にトスも、オールセーフ(記録は犠打野選)で1点追加し「いいバントを決めてくれた」とたたえた。無死一、二塁で9番・菅野はスリーバント失敗も、吉川から4者連続バント。高校野球の聖地で自己犠牲の攻撃が大成功した。「昨日やれやれってうるさい人が多かったから(笑い)。やってみました。勝てばいいんでしょ」。打線がつながりを欠き逆転負けした前夜、バントをするべきだったとの評論家の声をニュースで耳にした指揮官は冗談交じりに笑った。

 雨が強まり、グラウンド状況が悪化する中、7回の守備では1死一塁から近本の三ゴロを三塁・増田大が好捕して二塁にジャンピングスローで併殺完成。「すごい貴重なプレーだった。大ファインプレー」と拍手した。仮に7回裏の完了前に中断、コールドになった場合は7回表の2得点が取り消しで1―1だっただけに値千金の大仕事だった。

 攻守で細かいプレーを重ねた阿部巨人。価値ある勝利でヤクルトに勝利した首位・広島との0・5差を死守した。(片岡 優帆)

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