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【高校野球】仙台育英が聖和学園にコールド勝ち…吉川陽大が11奪三振 父は元バレーボール女子日本代表監督、母は世界NO1リベロ

スポーツ報知 2024年9月2日 6時30分

◆高校野球◇秋季宮城県大会中部地区予選▽3回戦 仙台育英8―1聖和学園=7回コールド(1日)

 3回戦などが行われ、仙台育英は夏の宮城大会決勝で敗れた聖和学園に8―1の7回コールド勝ちで雪辱を果たした。先発左腕・吉川陽大(あきひろ、2年)が6回を5安打11奪三振1失点の好投を見せると、3番・佐々木義恭左翼手(2年)がソロ本塁打を放つなど打線も援護した。なお、敗れた聖和学園も特別枠で県大会(19日開幕、石巻市民ほか)への出場が決まっている。

 リベンジに燃える一戦を7回コールドの快勝で終えると、仙台育英ナインはすがすがしい表情でスタンドにあいさつした。夏の決勝で5―8と敗れた相手への大きな1勝に、先発した吉川は「抽選会の後からずっとこの日に合わせて調整してきたので、勝てて良かった」と振り返った。

 背番号11の快投が勝利を呼び込んだ。「自分の長所がしっかり出せた」と最速140キロをマークした直球に加え、夏に向けて磨いたカットボールを効果的に使った投球で聖和学園打線を翻弄(ほんろう)した。3回には暴投などバッテリーエラーが絡んで1失点したが、6回を散発5安打の11奪三振でマウンドを降り「2ケタ三振を取れたのは、自分を褒めてあげてもいいかなと思います」と笑顔。打線も、2回2死から佐々木主将がソロ本塁打を放つなど須江航監督(41)も「迷いのない攻撃ができている」と長打5本を含む12安打と爆発して援護した。

 吉川の父・正博さんは01年から02年までバレーボール女子日本代表の監督を務め、母・博子さん(旧姓・津雲)はバレーボール全日本リベロ第1号で、「世界NO1リベロ」と称された選手だった。もちろん吉川も「遊びの感覚で」幼少期はバレーに触れることも多かったが、「プレッシャーになるかもしれないし、違う競技をした方がいい」との母の言葉で友人に誘われた野球の道へ進んだ。

 今春は東北大会でも先発するなど主戦で登板したものの、夏はベンチ外となり「須江先生が、自分を見つめ直す機会をくれたんだと思った」。球速ではなく、変化球を磨き「絶対に負けられない試合で先発できる投手になる」と自滅しない投球を意識。一皮むけた姿を大事な一戦で披露した。多彩な投手陣の中で「自分も皆に刺激を与えられる存在でいたい」と意気込む左腕は、夏の悔しさを力に、実りの秋を迎える。

(秋元 萌佳)

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