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元NPBの守護神スアレスとマクガフの明暗 パドレスが選択した大型契約は大当たり

スポーツ報知 2024年9月3日 12時47分

 残り1か月となり、し烈なペナントレースが繰り広げられている米大リーグ。計12人がセーブを挙げているドジャースを除いて、ペナントレースを争う上位球団の多くが絶対的なクローザーが控えている。

 現地時間9月2日時点のア・ナ両リーグ通じてのセーブのランキング上位を出すと、

1 ヘルズリー(カージナルス)42=セーブ失敗3

2 クラセ(ガーディアンズ)41=同3

3 フィネガン(ナショナルズ)34=同4

4 スアレス(パドレス)31=同3

5 ヘイダー(アストロズ)29=同2

6 ホームズ(ヤンキース)29=同10

7 イグレシアス(ブレーブス)28=同3

 この7人のうち、チームが負け越しているのはフィネガンのナショナルズ(61勝76敗)だけだが、ヘルズリーのカージナルスも69勝69敗。チーム白星の60・9%でセーブを挙げており、勝率5割キープをヘルズリーが支えているのがうかがえる。

 セーブ失敗が最も多いのがヤンキースのホームズ。何とセーブ失敗が10試合もあり、登板試合でチームは37勝18敗と、7人中最低勝率。ヤンキースがオリオールズとの首位争いで抜け出せない要因となっている。

 一方、2020~21年の阪神時代にセ・リーグのセーブ王となったパドレスのスアレスは、登板試合で52勝3敗と抜群の勝率。31セーブの他、8勝を挙げており100マイル(約161キロ)超の直球主体に投げこむ姿の彼がマウンドに上がれば、パドレスファンは勝利を確信しているだろう。帰国1年目の2022年の5勝1敗11ホールドの活躍を果たすと、パドレスが2年目のオプション破棄し、新たに総額4600万ドル(当時のレートで約64億円)の5年契約を結んだ。昨季は左腕ヘイダー(現アストロズ)が守護神でいたが、FAで移籍することを見越しての大型契約が間違いで無かった事を証明しているのだから素晴らしい。 

 同じようにヤクルトの守護神として活躍し昨年、ダイヤモンドバックスと2年契約を結んだマクガフは、昨季9セーブを挙げたものの防御率は4・73。今季は2度のセーブ機会も失敗に終わるなど防御率は6・83。現在はマイナーに降格し、下でも10試合のセーブ機会で5度失敗しており、昇格は厳しそう。

 米帰国前2年間のNPB成績は、

スアレス 113試合67セーブ 防御率1・65

マクガフ 111試合69セーブ 防御率2・44

大きな差はなかった。ただ、球威という点ではスアレスが数段上だった。それを見越した上で獲得したパドレスのフロントの慧眼(けいがん)を褒めるべきだろう。

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

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