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武居由樹 薄氷踏む初防衛 11回にダウン奪われ小差判定勝ち 元フライ級世界王者・比嘉大吾の挑戦退ける…WBO世界バンタム級

スポーツ報知 2024年9月3日 20時0分

◆プロボクシング ▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―同級1位・比嘉大吾(9月3日、東京・有明アリーナ)

 WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が、初防衛に成功した。互いにKO狙いを宣言して臨んだ一戦で、6年5か月ぶりの世界王座を目指した同級1位の挑戦者・比嘉大吾(志成)との壮絶な打ち合いを制し、挑戦を退けた。11回にダウンを奪われたが、最終12回に巻き返し、小差のポイント差で逃げ切った。判定はジャッジ2人が114―113、1人は115―112の3ー0の判定で王座を死守した。

 8連続KO勝ちで迎えた初の世界戦(5月6日・東京ドーム)で、前王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ち。日本ボクシングコミッション(JBC)が認定する100人目の日本ジム所属の世界王者に就いた。今回の初防衛に向け、同門のスーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥と集中トレーニングなどで一緒に汗を流し助言も受け「全体的にレベルアップした」と自信を深めてきた。

 比嘉とは一緒に練習をしたこともある仲。計量後のフェースオフではお互いに笑みがこぼれた。武居を指導する八重樫東トレーナーも現役時代から比嘉、比嘉を指導する野木丈司トレーナーとともに練習してきた仲。八重樫トレーナーは「仲間でもある」とした上で野木トレーナーの考えと「大吾の性格」を加味し、武居と戦略を練ってきた。

 K―1王者からボクシングに転向し4年、10連勝で世界王者になり初防衛も果たした。主要世界4団体の王座を日本人が独占する大激戦区のバンタム級で、東京・足立区出身の武居が強さを誇示した。

 リング上での主な一問一答は以下の通り。

―今の気持ち

 足立区からきた大橋ジム武居です。自分の中ではこの勝ちには納得出来ていなくて、本当に大吾さんと最高の試合ができてよかったです。大吾さん、野木さん、ありがとうございました。

―試合を通して感じたこと

 比嘉選手本当に打たれ強いし気持ちも強いし、パンチも強いし、やられたくないことを、いっぱいやられた。

―11回、ダウンしたシーン

 自分の中ではダウンか分からないですけど、ダウンを取られてもおかしくないパンチのもらい方をしていたので自分が悪いです。大吾さんのお陰でまだまだ上にいけるなと思ったので、大吾さんに感謝しています。

―大きい勝利

 キツイ試合をできて、本当に、またもっともっと強くなれるなと思いました。反省点ばかりです。本当にすみません。

―ファンへ

 本当に今日、たくさんの応援のありがとうございました。大吾さんと最高の試合できてよかったです。まだまだ頑張ります。10月の天心くん、頑張って下さい。応援してます。

 ◆武居 由樹(たけい・よしき)1996年7月12日、東京・足立区生まれ。27歳。高校時代はボクシング部で活動も、その後キックボクシングに転向。「パワーオブドリーム」に所属し、2014年11月にKrushでデビュー。17年4月、K―1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得。19年6月、K―1同級世界最強決定トーナメント優勝。20年12月にボクシング転向を表明。21年1月のプロテストに合格し、3月にデビュー。身長170センチの左ボクサーファイター。

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