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井上尚弥 次戦は都内で12月24日のクリスマスイブ決戦 中谷潤人との対戦には「そこの壁はでかい」と弟・拓真撃破が”条件”に

スポーツ報知 2024年9月4日 16時53分

 世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)がWBO同級2位TJ・ドヘニー(アイルランド)の挑戦を退けた試合から一夜明けた4日、横浜市内で会見を行った。腰を痛めたドヘニーの棄権による7回TKO勝利でWBC、WBOは3度目、WBA、IBFは2度目の防衛に成功。思わぬ形での試合終了で「不完全燃焼」とした。前に出てくるスタイルのドヘニーがディフェンシブにきたことに「ボクシングっていうのは相手あってこそ、盛り上がりがあるかないかのスポーツ。相手が塩に徹したら、そりゃそうなります」と残念がった。

 世界戦23勝目となり、前WBA世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王者・井岡一翔(志成)と並んでいた通算世界戦勝利数で日本人単独最多となった。元世界3団体ミドル級(72・5キロ以下)王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と並ぶ現役単独最多で、自身が持つ日本人最多世界戦連勝数も23に更新した。

 今後も前人未到の道の歩みを期待されていることに「これは自分でも、まだまだこう、やれることあるならやりたいと思うし、やる以上、挑戦していくっていうか、あと何ができるのかって話。フェザー級に上げるしかないんですよ」といずれ階級を上げることを改めて明言した。時期については「1年半後、2年後、結局その時になってみないと、体がどうなってるか」とした。

 次戦についてはこの日、海外メディアは「12月24日」と報道。所属ジムの大橋秀行会長も「そうなんでしょうね」と認めた。相手についてはIBF、WBO1位のサム・グッドマン(オーストラリア)が有力視され、WBA1位のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)も候補になっている。尚弥は「どのみちどっちともやるんで心配しないでください。別にそれがね、次アフマダリエフになろうが、グッドマンなろうが、いずれやるんで」と両者と戦う腹づもりでいることを明かした。

 共同プロモートする「トップランク社」のボブ・アラムCEOは「日本史上最大の試合になるかも。来年、その可能性はある」とWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者の中谷潤人(M・T)との対戦にも言及。尚弥は「彼がそういうステージに上がってくれば、対戦候補の1人には挙がってくるんじゃないですか」と話す。ただ、弟でWBA同級王者の拓真(大橋)と中谷はお互い、統一戦を行うことを希望。「そこの壁はでかいんじゃないですか、多分。皆さんバンタム級だと中谷潤人が1位です(と言います)けど、拓真も結構、くせ者ですよ」とモンスターへの挑戦権を得るためには拓真への勝利が条件となりそうだ。

 今後は10月に堤聖也(角海老宝石)との防衛戦に臨む拓真のスパーリング相手を務める予定。「堤とは何回かスパーリングやっているので。クセもわかっている。スイッチもやります」と右構え、左構えと頻繁にスイッチする仮想・堤として弟をサポートする。

 ”過去イチ”の肉体に仕上げて臨んだ一戦。「ザ・パワー」の異名を持つ経験豊富な37歳の元IBF王者の腰を破壊したモンスター。すでに、この階級には対等に戦える相手がいないと海外メディアやファンからはフェザー級(57・1キロ以下)への階級アップを望む声が高まっている。しかし、本人は「あと2年くらいはこの階級でやると考えている」と来年いっぱいまではスーパーバンタム級で試合を行う予定だ。

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