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“マイクロ・タイソン”元日本ミニマム級王者の石澤開氏が相模原市に引退報告 「英語を勉強したい」と海外留学も計画

スポーツ報知 2024年9月5日 12時40分

 プロボクシング元日本ミニマム級(47・6キロ以下)王者で“マイクロ・タイソン”の異名を取った石澤開(いしざわ・かい)氏(27)が5日、所属したM・Tジムのある神奈川・相模原市を訪問。現役引退を報告した。

 相模原市出身の石澤氏は、M・Tジムの村野健会長とともに相模原市役所を訪れ、本村賢太郎市長に「今まで応援していただき、ありがとうございます」とあいさつ。本村市長は「たくさんの、ワクワクする思いを市民に与えてくれて感謝しています。鍛え抜いた心や身体を、後進の指導などに生かしてほしい」とねぎらった。

 石澤氏は小、中ではサッカーと空手に励み、中2から本格的にボクシングを始めた。武相高―日体大と進み、アマ戦績は28勝14敗。2017年6月にプロデビュー。18年11月、井上夕雅(尼崎亀谷)に6回TKO勝ちして日本ユース同級王座を獲得。22年1月には森且貴(大橋)との日本同級王座決定戦を8回TKOで制し、日本王者になると、3か月後には当時WBO世界同級王者・谷口将隆(ワタナベ)に挑戦。だが、前日計量で体重超過し、試合も11回TKO負けした。その後、再起したものの、外国人選手に連敗。今年4月、レジー・スガノフ(フィリピン)に8回TKO負けしたフィリピンでの試合を最後に現役引退を決めた。身長156センチの右ボクサーファイターで、強烈なパンチ力から、“マイクロ・タイソン”のニックネームがつけられていた。戦績は11勝(10KO)4敗。

 引退報告会後、取材に応じた石澤氏は「フィリピンで負けた時に悔しいという思いがなかった。自分の中で区切りがついたので、引退することにしました」と説明した。思い出に残る試合は日本ユースと日本王座を獲得した試合で、「ベルトを手にして勝ちが形になったことがうれしかった。日本チャンピオンになって初めてプロボクサーと言えるようになった」と振り返った。

 これまで勤めていた建築関係の仕事を退職。現在、英語の勉強をしており、海外留学も計画している。「これまでボクシング以外のことはやっていなかったので、改めて勉強したいなと思った。海外に行くと母国語以外の言葉を話す人が多かったし、僕は人とコミュニケーションを取るのが好きなので英語を勉強したい」と石澤氏。教員免許も持っており、しばらくは勉強をしながら将来について考えるという。石澤氏が中2の時から指導し、高校の先輩でもある村野会長は「ケガもあったし、人生の第2ラウンドに臨んでほしい」とエールを送った。11月28日、M・Tジムなどが主催する興行(後楽園ホール)で引退式が行われる予定で、石澤氏はリング上からファンに別れを告げる。

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