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【高校野球】紋別の150キロ右腕・池田悠真がプロ志望届提出…カニ漁師かプロ野球か、悩んだ末の決断

スポーツ報知 2024年9月6日 7時52分

 紋別高の最速150キロ右腕・池田悠真(はるま)投手(3年)が5日、プロ志望届を提出した。近日中に日本高野連の公式サイトに公示される。3年間で道大会(夏は北北海道)出場はなく、昨年まで無名の存在だったが、高校ラストイヤーに才能が開花。カニ漁師とプロ野球で進路を悩んだ末に志望届を提出した右腕は、同校から初のプロ野球選手誕生を夢見て10月24日のドラフト会議を迎える。

 紋別の豪腕が目指すのはオホーツク海ではなく、プロ野球という大海原だ。握力80キロの右手でプロ志望届に名前を記入し、道高野連に書類を提出した池田は「プロ野球に挑戦することを改めて自覚した」と気を引き締めた。

 幼い頃から漁を手伝っていたこともあり、祖父と同じカニ漁師を目指す道もあったが、熟考の末に選択したのは11年間続けてきた野球だった。北見地区代表決定戦で敗退した夏の大会中には「大学などを含めて、上で続けられるレベルなのかもう一度考えたい。野球をやめて漁師になりたい思いもある」と話していたが、その後約2か月間で家族らと何度も協議。父・雅司さん(43)から「漁師はいつでもなれる。プロ野球に挑戦できるのは限られた人。やるだけ挑戦してみれば」と助言を受けたほか、親戚や指導者からも背中を押され、志望届の提出を決断した。

 184センチ、87キロの恵まれた体格だが、中学は捕手、高校入学後は外野手がメイン。本格的に投手に転向した昨夏時点では「就職(漁師)を考えていた。プロ野球はまったく視野に入れていなかった」。当時の最速138キロからオフのトレーニングで急成長し、今春の大会前に147キロを計測。その後も成長を続け、NPB球団のスカウトが視察に訪れた夏の北見地区2回戦北見工戦で150キロの大台に到達した。

 進路を決めたのは夏休み中だったが、その間も後輩たちと練習を続けてきた。複数の大学からも誘いはあったが「プロ一本で考えている」と、育成指名でもプロに進む考えだ。ドラフト会議まで約1か月半。「自分のピッチングに磨きをかけて、冷静に落ち着いて過ごしたい」。人口約4000人の雄武町出身の17歳は、平常心で運命の日を待つ。

(島山 知房)

 ◆池田 悠真(いけだ・はるま)2006年11月13日、雄武町生まれ。17歳。雄武小2年時に雄武フライングタイガースで野球を始める。雄武中では軟式野球部でプレーした。紋別では1年春から3年夏までの8季すべて地区予選敗退。184センチ、87キロ。趣味はモータースポーツ。右投右打。家族は両親、弟、妹。

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