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【高校野球】東北高が2年ぶりにライバル仙台育英撃破…4番・川原輝陽が走者一掃の三塁打

スポーツ報知 2024年9月7日 8時58分

◆秋季宮城県中部地予選 準決勝 東北7―3仙台育英(6日・仙台市民)

 準決勝などが行われ、東北は仙台育英に7―3で勝利した。2点を追う7回に適時打とスクイズで追いつくと、4番・川原輝陽(きよ)一塁手(2年)が1死満塁から走者一掃の適時三塁打を放って勝ち越し。打者一巡の猛攻で6点を奪って突き放し、逆転勝ちでライバル対決を制した。

 流れを変える一打だった。東北の4番・川原が捉えた内角への直球は中堅手の頭を越えた。「狙い通り。いい打球になった」と三塁上で思わず笑顔。ともに県大会出場をすでに決めている中での一戦だったが、同地区のライバル撃破に「育英さんを倒さないと甲子園に行けないと頑張ってきたので勝てて良かった」とスタンドにガッツポーズであいさつした。

 初回に2点を先制されたが、裏に1点を返して1―2。3回にも長打を浴びて1―3とされた。その後は両軍無得点の展開が続いたが、7回に笠隼人遊撃手(1年)の右前適時打で1点を返すと、スクイズで同点。なおも1死満塁、押せ押せムードの川原の打席で相手捕手の足がつり、治療のために一時ベンチへ戻ることになった。

 集中を切らさないよう、ベンチ裏で円陣を組んで声を掛け合い、川原も「ここで一発打ってくるわ」と宣言。有言実行の一打を決めると、7回からはマウンドに上がり「丁寧に投げ切れた」とスライダーとカットボールを生かして3回を内野安打1本のみの好投。投打に活躍し「練習してきたことが出せました」と満足げに振り返った。

 公式戦で仙台育英に勝利するのは22年秋の県大会決勝以来6試合ぶり。前回勝利時は勢いに乗り東北大会で準優勝し、23年春のセンバツへの切符をつかんだ。川原は「ここで勝てたことはモチベーションになるし、これからも自信を持って戦える要素になる」と胸を張る。新チームが立てた目標は「甲子園優勝」。達成への道のりへ追い風を吹かせる大きな一勝となった。(秋元 萌佳)

 ○…仙台育英は先制しながらも、4回以降は散発3安打と追加点が遠かった。3失策とミスも響き、須江航監督(41)は「してはいけないことをしたら勝てないんだと学べる試合だった」と振り返った。始動後は、練習試合も含めて負けなしだった新チーム。初黒星も「どこか過信があったと思うので、負けは経験しておかないといけない。攻守において丁寧に野球をすることを課題に、県大会に向けてまた気が引き締まった」と前向きに捉えた。

 ○…東北学院は仙台に7-3。公式戦初登板の木幡朝陽(1年)が先発し、5回を3安打1失点の好投で試合をつくった。初回は先頭に二塁打を浴びたが、後続を切り「ピンチで抑えて緊張もほぐれた」と切り替え。4回も1死二、三塁のピンチを最少失点でしのぎ「変化球も良く決まったし、先輩たちの声かけで楽に投げられた」と初マウンドを終えた。チームはすでに県大会出場を決めている。東北との決勝に向け「東北さんと戦えるのはいい経験。自信をつけて県大会に挑みたい」と意気込んだ。

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