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【高校野球】被災地同士の対戦となった石川・飯田は輪島に初戦敗退…野球部存続へ模索

スポーツ報知 2024年9月7日 19時45分

◆秋季高校野球石川県大会 ▽1回戦 輪島9-0飯田=7回コールド=(7日・弁慶スタジアム)

 秋季高校野球の石川県大会が開幕し、1回戦6試合が行われた。元日の能登半島地震で大きな被害を受けた飯田は、輪島と被災地同士の対決となったが、0-9の7回コールドで完敗した。夏の大会では3回戦に進出したが、3年生が引退後は2年生3人、1年生1人と部員は激減。今大会はサッカー部、陸上部、卓球部、バスケットボール部から9人が加わり、13人で挑んだが、序盤から守備でミスを連発して6失策。陸上部の2番・直川偉洸中堅手(ただがわ・いっこう、2年)が2安打、2盗塁と気を吐いたが、夏に続く白星は遠かった。加瀬悠貴監督は「野球の好きな子が参加してくれた。試合の序盤は緊張していて動きも硬かったですね」と振り返った。

 夏の大会後は連合チームにすることも可能だったが、加瀬監督は選手たちに意思を確認。キャプテンの宮元晴一郎捕手(2年)は「自分たちの代で、飯田高の野球部を終わらせたくない。監督には野球経験者を誘いたいとお願いしました」と、助っ人9人を集め、夏の大会終了から約3週間後に全員が集まってスタート。ユニホームや練習着は3年生から借り受け、練習試合は4試合をこなして今大会に挑んだ。

 学校のグラウンドは地震の影響で両翼が地割れしており、満足に練習できない状況が続く。さらに学校の生徒数は3年生102人、2年生80人に対し、今年は地震の影響もあったためか、入学者は51人にとどまった。逆風は続くが、冬場は部員4人と助っ人数人で練習を続け、来春は新入生を勧誘して単独出場を目指す。また、サッカー経験のある宮元主将は、サッカー部の助っ人として全国高校選手権石川県大会に出場する方向だ。「小学校の時にはGK、FWでプレーしていた。出場する機会があれば、点を取って恩返ししたいです」と宮元主将。運動部同士で助け合いながら、チーム存続の道を探る。(中田 康博)

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