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巨人・オコエ12回2死プロ初サヨナラ弾!19残塁ドロー危機救う今季最長4時間41分の死闘

スポーツ報知 2024年9月8日 5時0分

◆JERA セ・リーグ 巨人3×―2DeNA=延長12回=(7日・東京ドーム)

 巨人は延長12回2死、オコエ瑠偉外野手(27)のプロ初劇打となるサヨナラ2号ソロで6連勝中だったDeNAに競り勝ち、1ゲーム差で首位をキープした。1点を追う9回2死一、二塁、中山礼都内野手(22)の代打同点打で追いつくと、延長11回から2回を無失点に抑えた横川凱(かい)投手(24)が2勝目。打線が今季最多19残塁と苦戦したが、この日昇格した2人の活躍もあって今季6度目のサヨナラ勝ち。高級宝飾ブランド「ティファニー」とコラボした試合で若手が輝きを見せた。

 歓喜の輪ができ上がった本塁に、両手を上げて飛び込んだ。ウォーターシャワーでずぶぬれのオコエが雄たけびを上げてナインとハイタッチを繰り返した。「ちょっと詰まってどうかなと思ったんですけど、届いて良かった」。約1か月ぶりの今季2号がプロ9年目で初のサヨナラ弾。今季最長4時間41分、両軍が計15投手をつぎ込んだ死闘に、最高の形で終止符を打った。

 ささやきが心をほぐしてくれた。8回から代走で出場し、2―2の延長12回2死で迎えた第2打席。凡退なら引き分けの場面で、阿部監督に「一発狙ってこーい」と明るくベンチから送り出された。「強い気持ちで見送ってもらえて、思い切って狙ってみようと思った」。甘く入った初球の141キロ直球を上体をのけぞらせながら豪快に振り抜き、左中間席前列に運んだ。これで佐々木との通算対戦成績は5打数5安打と驚異の数字をたたき出している。

 “チーム1”の怪力をここ一番で発揮した。7月下旬に再昇格すると「毎年、この時期になるとバットが振れる」と試合前練習では左中間の看板付近に運ぶなどサク越えを連発。球団関係者が測定したその打球速度は、NPBトップクラスの平均170キロを誇る岡本和をも上回るチームナンバーワンだという。阿部監督を「練習では3億円プレーヤーぐらいの打撃をしているからね(笑い)。やっと打ってくれたね。一番いいところでね」と喜ばせた。

 オコエらしい、明るさでも球場を盛り上げた。お立ち台で「来年はティファニー・アンバサダーをいただけるような活躍をできるように、優勝を目指して頑張りたい」と、ユニホームをコラボしたティファニーにかけ、ファンの爆笑をさらった。普段はもっぱらユニクロの服を愛用。「今日の女優さん(始球式を務めたブランドアンバサダー・三吉彩花)がきれいだったので、魅力で負けない野球選手になれたらと(お立ち台で)冗談を言いました」と再び報道陣の笑いを誘った。

 志願して初参加した昨オフの“坂本組”自主トレでは「これはどうやって打ったんですか」と球場移動の車内で動画を流し、背番号6を質問攻め。夏場までファームでともに汗を流した横川、中山とお立ち台に上がり「プロ9年目で優勝争いを初めて経験している最中。ファンの方々も一緒に戦ってくれているので、負けじと戦力になれるように頑張っています」。世界的有名ブランドにも負けない輝きを放ったオコエが、チームを加速させる。(内田 拓希)

オコエに聞く

 ―詰まってもスタンドインのパワー。

 「それも1個の武器なので。使える武器はどんどん使っちゃおうと」

 ―監督が「練習で3億円プレーヤーくらいの打撃」と。

 「『あとは試合で出すだけ』と監督に言われているので。チャンスは少ないですけど、チームの優勝が一番なので、いろいろなところで頑張ります」

 ―自分の課題をノートに書いたりしているか。

 「自分、字が苦手なので(笑い)。フィーリングで」

 ―コラボユニを着て。

 「かっこいいと思います。こういう色とか黒とかオレンジが結構、好きなので。着られて光栄です」

 ―ティファニーの私物を持っているか。

 「持っていないです」

 ―妹・桃仁花は。

 「どうなんですかね―。分からないですけど今、日本にいないので、後で電話して聞いてみます(笑い)」

 〇…巨人は、球団創設90周年を記念して7、8日のDeNA戦(東京D)を高級宝飾ブランド「ティファニー」とコラボした「Tiffany&Co.DAY」として開催。黒を基調としながら、帽子のTGマーク、ソックスなどがティファニーブルーになった特別仕様のユニホームを着用。背番号の下にはロゴがあしらわれた。本塁をのぞく各塁のベースやバックスクリーンの巨人選手名の表示が青色になるなど、東京Dが鮮やかに彩られた。

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