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大谷翔平“数センチの違い”が史上初「45―45」を呼び込んだ 残り21戦「51―52」ペース

スポーツ報知 2024年9月8日 4時50分

◆米大リーグ ドジャース1―3ガーディアンズ(6日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が6日(日本時間7日)、本拠地ガーディアンズ戦に「1番・DH」で出場。6回に5試合ぶりの45号ソロを放ち、史上初となる「45―45」(45本塁打、45盗塁)を成し遂げた。100打点、160安打はともに自己最多タイとなった。3年連続の地区優勝を目前にして負傷者続出のチームの危機を、打者として歴史的なシーズンを送る大谷が救う。

 乾いた打球音がどよめきとなり、歓声に変わった。2点を追う6回1死。大谷はボイドの88・8マイル(約142・9キロ)シンカーを押し込んだ。打球速度111・2マイル(約179キロ)、角度38度、飛距離413フィート(約125・9メートル)でバックスクリーン左に消えた。9月初アーチは5試合ぶりの45号ソロ。46盗塁と合わせて史上初の「45―45」を達成し、ベンチ前では負傷交代したT・ヘルナンデスに代わり、ロハスからヒマワリの種で祝福された。

 歴史的な一本で自身2度目、21年の最多に並ぶ100打点に到達した。リーグ最多のアダメズ(ブルワーズ)を捉え、8本差で独走の本塁打と再び2冠に浮上した。8回には右前安打を放ち、自己最多タイの160安打。日中には最高気温41度を計測し、熱波警報が発令されたロサンゼルスをさらに熱く盛り上げた。

 8月は月別最多タイの12本塁打を放った一方、打率2割3分5厘。特に最初の15試合は計11安打(6本塁打)で、構えた際の感覚を重要視する大谷が「構えている段階でいい未来が見えない」と“不振”を認めたこともある。どうスランプを脱したのか。ベイツ打撃コーチは「たくさんの要素があるけど、今のスタンスは少しだけ狭くなっている」と証言した。数ある要因の中の一つだが、数センチの違いで景色が一変することもあるという。

 大谷は試合前に屋外で打撃練習を行わない。同コーチによると、午後7時10分開始の試合では6時頃から室内のケージでスイングを始め、同45分までには必ず終了する。ティー打撃を行い、前方から人の投げる球を打ち、仕上げにマシン打撃。一般的なメニューでもその日の“狙い”が必ず存在し、「全てが計算されている」と同コーチは舌を巻いた。「(打撃は)微妙なところから少しずつ崩れてくる」と大谷は好成績に慢心せず、修正を行う。毎日の積み重ねが数々の偉業を生んでいる。

 これでシーズン51本塁打、52盗塁ペース。残り21試合で前人未到の「50―50」を射程圏に捉えている。ここから先も日本人初の50号まで1本ごとにメモリアル弾が続く。この日は大谷の一発による1得点だけで敗れたドジャースは最終盤に来ても負傷者が続出する緊急事態。3年連続の地区Vに向けて“一刀流”の背番号17がヒーローになる。(中村 晃大)

 【高橋由伸Point】スタンスを狭める時はそれぞれ理由がある。大谷の場合はただ、力を抜いて構えたかったのではないか。両足の幅を広げればその分、余計な力感が加わるもの。自然体で立つことが一番で、当たれば飛ぶという原点に戻ったのではないか。最近は差し込まれたり、空振り三振も目立った。スイングが自分のイメージと合っていなかったのだろう。力を抜くだけで、良い方向に転がっていくはずだ。(スポーツ報知評論家)

 ◆ナ・リーグの個人タイトル争い

▽打率         

〈1〉アラエス(パドレス).310

〈2〉オ ズ ナ(ブレーブス).309

〈3〉ターナー(フィリーズ).300

〈5〉大  谷(ドジャース).291

▽本塁打       

〈1〉大  谷(ドジャース)45

〈2〉オ ズ ナ(ブレーブス)37

〈3〉シュワバー(フィリーズ)33

▽打点        

〈1〉大  谷(ドジャース)100

〈1〉アダメズ(ブルワーズ)100

〈3〉オ ズ ナ(ブレーブス)98

▽盗塁        

〈1〉デラクルス(レ ッ ズ)62

〈2〉大  谷(ドジャース)46

〈3〉チュラング(ブルワーズ)41

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