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北野武監督、ベネチアの熱狂に感慨「『HANA―BI』の時よりもスタンディングオベーションは長くて、一番良かった」

スポーツ報知 2024年9月8日 10時28分

 第81回ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門(特別招待作品)に選出された北野武監督の最新作「Broken Rage」(Amazonプライムビデオで2025年世界配信)が6日(日本時間7日)に世界初上映された。

 日本の動画配信作品が同映画祭に出品されるのは史上初の快挙。北野監督は1997年の「HANA―BI」で金獅子賞(グランプリ)に輝くなど同映画祭と縁が深く、現地での知名度は抜群だ。公式上映が行われたメイン会場には「世界のキタノ」の新作を待つ映画ファンが押し寄せ、1032席が埋め尽くされた。

 「暴力映画におけるお笑い」をテーマに北野監督が脚本、主演も務めた意欲作。上映中は笑いと拍手が起こり、ファンが大喜び。上映後には、熱狂に包まれた観客からは惜しみない拍手と歓声が送られ、盛大なスタンディングオベーションに。6分を過ぎたところで、北野監督が照れくさそうに制止した。

 北野監督は温かい反応にホッとした様子。「ベネチア国際映画祭には何度も来ているけど、今回は、その中でもトップ3に入るほど反応が良かった。『HANA―BI』の時よりもスタンディングオベーションは長くて、一番良かったなと思います。『Broken Rage』はあまりにも映画らしくない、冒険した作品なので『大丈夫かな?』と思ったけど、反応がすごく良かった」と喜んだ。

 「ベネチア国際映画祭は、映画では無名だった武にグランプリをくれたので、自分たちが育てたという感覚を持ってくれてるんじゃない?」と歩んできた足跡にも触れて感慨深げ。「ベネチアでグランプリを獲っても、あまり進化のないことをやっていたらファンに飽きられちゃうから、またチャレンジしてるところを見せないと。1本1本、ベネチアのファンがこの映画を見たらどう思うか?ということも意識しながら作ってます」と思いを明かした。

 ◆「Broken Rage」 前半は警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクション。後半は同じ物語でありながら、前半と同じ物語をなぞるコミカルなセルフパロディーという二部構成になっている。北野監督がビートたけしとして主人公の殺し屋・ねずみ役、浅野、大森が刑事役を演じる。

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