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白熊「シースー」で幕内初白星…弟弟子の関脇・大の里らと験担ぎ 予約は三段目の麒麟龍が「シロクマ」で

スポーツ報知 2024年9月9日 5時30分

◆大相撲 ▽秋場所初日(8日、東京・両国国技館)

 新入幕の東前頭16枚目・白熊(25)=二所ノ関=が幕内初白星を挙げた。西同16枚目・北の若(23)=八角=に寄り切りで快勝した。ユニークなしこ名で人気急上昇中の新鋭が、弟弟子の関脇・大の里(24)との優勝決定戦という夢に向け白星を積み重ねる。成績次第では大関取りの可能性もある大の里は辛勝発進。

 細い目の奥が光った。白熊は鋭い出足で北の若に圧力をかけた。左でおっつけ前進。左上手をつかむと白い体をグイグイと寄せて一気に寄り切った。「得意な四つ身になれた。新入幕っぽい、思い切った相撲がとれた」。場所前は学生時代からの持病の痛風を発症。数日間稽古できなかったが、心配を感じさせない野性味あふれる完勝だった。

 夏の国技館で緊張でブルブルと震えていた。幕内土俵入りでしこ名が呼ばれると大歓声が沸き「白熊」の白い応援タオルがあちこちでなびいた。「幕内は十両と全然違う。緊張した」。勝った際の懸賞の受け取りも心配だった。気持ちを少し落ち着かせたグッズが「朝初めて見た」という新品の着物。動物のシロクマが描かれた着物で場所入りした。懸賞は1本だけだったが、幕内初勝利だけに、その価値プライスレス。場所前に胸を出してくれた師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)に「渡したい」と感謝を伝えた。

 7日夜は大関取りを狙う弟弟子の大の里に誘われ、茨城・阿見町の二所ノ関部屋近くのすし店で決起集会。電話予約を入れたのは若い衆の麒麟龍(きりんりゅう、22)=東三段目19枚目=。「きりんがシロクマで予約を入れたのか?」と聞かれると笑いながらうなずいた。番付は関脇の大の里が上だが、兄弟子でもある白熊が「現金払いが験担ぎ」と懐から財布を出した。大の里から幕内初取組などの助言はなかったが、気分も良くなり「良い感じのシースー(すし)でした」と笑った。

 大の里は新潟・能生(のう)中、海洋高、日体大の1学年後輩。先月26日の新入幕会見では「大の里に一日でも早く近づきたい。そしていずれは優勝決定戦をしたい」と夢を語った。実現すれば1997年九州場所で大関・貴ノ浪が横綱・貴乃花を破って以来となる、同部屋力士による幕内でのV決定戦。白熊は「先は長い。集中していく」と一戦必勝を強調。幕内でも一つずつ白星を狩っていくつもりだ。(山田 豊)

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