３位の阪神・岡田彰布監督（６６）は９日、ほぼ無言の帰阪で“泰然自若”を示した。東京駅では立ち止まることなく、新幹線の中へ。新大阪駅でも「暑いなあ」などと、野球の話題を制するように歩を進めた。１０日から２差に迫る４位のＤｅＮＡと戦い、その後は１・５差で追う２位の広島戦。ヤクルト戦へ続く７連戦が全て本拠地・甲子園であることのメリットについて「おう」とだけ応じ、迎えの車に乗り込んだ。
移動日も基本的に取材に応じる指揮官。例外は疲労が激しい時、またはチーム状態が悪く、過度な怒りを発することを避けるように口を閉ざす場合だ。今回は違う。すっきりした表情と軽い足取り、手を挙げて去る姿は超前向き。もう細かいことを語る必要はなく、一貫している「一試合、一試合勝っていくだけ」という心境を態度で示した。
戦い方も“不動”だ。直近４カードはオーダーを固定。上位打線の好調も理由だが、両軍の先発に応じた捕手と左翼の併用だけ。７連戦の先発ローテーションも中６日以上を崩すことなく、７人の投手が登板する。９月に入り、巨人は戸郷が中４日、広島は大瀬良、ＤｅＮＡは東が中５日をこなした。追う立場の岡田虎だが、ラストスパートの気配が漂う他球団と対照的。余裕で逃げ切った昨季のような普段通りの野球で挑む。
まずは９勝８敗１分け、ホームでも４勝４敗と互角のＤｅＮＡ。初戦はエース東、第２戦は阪神戦５試合で防御率１・５３のジャクソンとの勝負だが、どっしりとした一歩一歩でライバルに重圧をかける。（安藤 理）