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坂本勇人初回V弾で8連敗中の天敵撃破!一発打てば6戦6勝の不敗神話

スポーツ報知 2024年9月11日 5時0分

◆JERA セ・リーグ 広島1―6巨人(10日・マツダスタジアム)

 首位・巨人が2位・広島との首位攻防3連戦の初戦に快勝し、ゲーム差を2に広げた。6月12日以来となる2番で出場した坂本勇人内野手(35)が、初回に左越えの6号先制ソロ。6回にも3点を加え、21年から8連敗中だった森下に土をつけた。先発の菅野智之投手(34)は5回1安打無失点でリーグトップ独走の14勝目。優勝の味を知る両ベテランの底力に加え、阿部監督の采配もズバリとハマり鬼門マツダを克服し、最短13日の優勝マジック「12」点灯へ加速した。

 広島の夕焼け空に特大の放物線を描いた。坂本は両手でバットを握りしめたまま、打球を目で追いながら走り出した。「大事な初戦で先制することができて良かったです」。広島との首位攻防第1ラウンドで、出場7試合ぶりの先制6号ソロ。史上12人目となる通算2400安打目を、貴重な一撃で飾った。

 “キラー”として強烈な先制パンチを浴びせた。初回1死、2球目の高め直球を捉え左翼2階席へ。阿部監督は「困った時のベテランを並べようと思っていた」と、森下に通算打率3割7分5厘と好相性の坂本を6月12日・楽天戦(楽天モバイル)以来となる2番で起用した。2番での一発は23年8月10日の阪神戦(東京D)以来。通算打率3割3厘のマツダでまたも輝き、阿部監督は「大きいホームランでしたね」とうなずいた。

 その指揮官が復調へのヒントをくれた。7月中旬に1軍へ再昇格するも、合流直後の5試合で15打数1安打。外角直球を捉え切れていなかった中、阿部監督から「打席での立つ位置をホームベースに近づけてみたら」と助言された。

 「毎日の体調で打撃は変わるから」とタイミングを取る左足の上げ方やスタンスは常に微調整。一方、開幕から貫いてきたのが本塁から離れ気味に立つ、打席位置だった。阿部監督のアドバイスを受け、7月26日のDeNA戦(横浜)では本塁に足を半足分、近づけるオープンスタンスを試して3打数1安打。以降は相手に合わせて立ち位置も調整し打率1割台だった6、7月から、8月は月間打率2割6分5厘をマークした。18年目で進化を続けるレジェンドに、新たな「引き出し」が加わった。

 仲間への気配りも忘れない。途中加入のモンテスと初めて三遊間を組んだ7月28日のDeNA戦(横浜)で「この選手は足が速いから気をつけて」、「ちょっと引っ掛けるような打球が多いよ」と三塁から逐一、アドバイスを送った。モンテスは「本当に素晴らしい選手。これからも彼からいろんなことを学びたい」と目を輝かせた。

 初回の先制弾が決勝点となり、チームは首位攻防初戦を制して2位・広島とは2ゲーム差。坂本がアーチを放てば6戦6勝で、直近4発は全てV弾だ。「うれしかったです。初戦を取れたのは大きい。でも、これからだと思う。あしたも頑張ります」。天王山でこそ力を出す。大一番で坂本勇人が真骨頂を発揮した。(内田 拓希)

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