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原田美枝子、スラダン映画を3度鑑賞と告白「悔しいから褒めたくない気もするけど…」

スポーツ報知 2024年9月10日 22時5分

 女優の原田美枝子が10日、都内で主演映画「大地の子守唄」(1976年公開、増村保造監督)のトークイベントに出席した。

 「第46回ぴあフィルムフェスティバル」のイベント。本作は素九鬼子氏の同名小説を映画化し、瀬戸内海の島へ娼婦(しょうふ)として売られた少女・りん(原田)の地獄と救いが描かれる。

 女優デビュー50年を迎える原田は、「撮影から50年近く経っているのに、(同作のことを)昨日のことのように思い出せるのが不思議ですよね」と笑顔。当時16歳で、過酷な境遇を生きる難役を引き受けた理由を「原作を読ませていただき自分とは全然違う人間だけど、何だか面白そうと思って」と明かした。

 撮影現場での思い出を「フィルムがもったいないので、1回の本番のために30回くらいリハーサルをするんですね。だけど増村監督は毎回『もっと激しく、もっと悲しく、もっと強く!』と必ずおっしゃるんですよ。ついていくのに必死でしたね」と回想した。

 それでも本作は、自身の女優人生を語るのに欠かせない作品で「増村監督に出会わなかったら芝居の面白さ、自分の知らない自分に出会う面白さを知ることはなかったと思う。もしかしたら、芝居を続けていなかったかも」と監督に感謝。本作は田中絹代さんの遺作でもあり、「お会いした時に『あなた、今回は大変な役でしたね。もう少しですから頑張ってくださいね』と言ってくださった」と新人時代に支えとなった名優からの言葉を明かした。

 イベントの終盤には「見終わってから長く記憶できるほどインパクトのある映像ってなかなか作れない。そういう映像がワンカットあるだけでも映画って成立しちゃうんだけど」と現在の映像製作に対するジレンマを感じていることを告白。

 その一方で、大ヒットアニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」を「映画館で3回観たんです」と明かし、その完成度に「めちゃくちゃ面白いんですよね。瞬間のとらえ方、一瞬をどう拡大してつかむかっていう」と感嘆。「(主人公・宮城)リョータの母親の質感っていうんですかね。必死に生活する汗のにおいがするような気がしたんです。俳優としては悔しさもあるし、アニメを褒めたくない気もするんですけど、すごいんだもん」と魅力を熱弁していた。

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