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山本由伸、復帰戦で鈴木誠也から2K奪い4回8K「リハビリを頑張ってきて良かったなと思いました」

スポーツ報知 2024年9月12日 5時0分

◆米大リーグ ドジャース3―6カブス(10日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 右肩腱(けん)板損傷で60日間の負傷者リスト(IL)入りしていたドジャース・山本由伸投手(26)が10日(日本時間11日)、本拠地・カブス戦で87日ぶりにメジャー復帰。4回を4安打1失点、4者連続を含む8奪三振の快投を見せた。日本人4人の先発出場は17年ぶり、両軍で投手と野手2人ずつは史上初という“侍の競演”で主役を張った。カブス・今永昇太投手(31)は、大谷翔平投手(30)を3打数無安打に封じるなど7回3失点で13勝目(3敗)を挙げた。

 待ち焦がれた景色に、心も体も躍った。右肩負傷から87日ぶりの復帰登板。第1球は96・8マイル(約155・8キロ)直球でストライクを奪った。2者連続三振で迎えた3番・鈴木との日本人対決ではこの日最速の97・9マイル(約157・6キロ)を計測し、最後は外角直球で見逃し三振。圧巻の3者三振で立ち上がった。

 「本当に温かい歓声をかけていただきましたし、リハビリを頑張ってきて良かったなと思いました」

 2回先頭まで4者連続Kと抜群の内容。2死一、二塁から不運な適時内野安打で1点を失ったが、3回は1~3番を再び3者連続三振。60球の球数制限の中、59球で目標の4回を4安打1失点で投げ切った。前日のブルペンで通算212勝左腕・カーショーからカーブなどの助言を受けたことが生きたといい「変化球が決まったのはアドバイスのおかげ」と頭を下げた。

 先発に日本人選手が4人そろうのは17年ぶりのことだった。さらには12年ぶりの日本人ルーキー対決。昨年3月のWBCで共闘した今永とは日米通じて初の投げ合いだった。13勝目を挙げた先輩左腕をも上回る輝きを放った山本は「勉強になるところがたくさんありました。これから何度も何度も対戦できるように」と決意を新たにした。

 オリックス時代は経験のなかった長期離脱。支えとなったのは“仲間”の存在だった。セントルイス遠征に前乗りした8月15日(日本時間16日)。侍ジャパンで仲を深めたヌートバー(カージナルス)と食事をともにした。山本は「密会です(笑い)」としながらも「本当に優しいんです」と1学年先輩に親身に話を聞いてもらった。オリックス入団時の担当スカウト・山口和男編成部アマチュアスカウトグループ長ら現地まで激励に訪れてくれる関係者も多くいた。応援されていることを実感し、この日も感謝の思いを白球に込めた。

 次回登板は中5日で16日(同17日)の敵地・ブレーブス戦の見込み。球数制限は75球に増える。10月のプレーオフに向け、負傷者続出の先発陣の救世主として期待される背番号18は「自分の仕事に集中してやっていくことが、チームのためにもなればいいなと思います」。目指すべき場所はまだ先にある。(中村 晃大)

 ◆山本の経過(日付は現地時間)

 ▽6月15日 本拠地ロイヤルズ戦で2回緊急降板。右肩腱(けん)板損傷と診断。

 ▽7月上旬 2週間ノースローからキャッチボールを再開。

 ▽8月3日 負傷後初ブルペンで20球。

 ▽同16日 負傷後初の実戦形式となるライブBPに登板。最速94マイル(約151・3キロ)で打者5人を無安打2K。

 ▽同28日 3Aの敵地ラウンドロック戦で74日ぶりの対外試合登板。31球を投げて2回1安打1失点。最速は95・7マイル(約154キロ)で2奪三振。

 ▽9月3日 3Aの本拠地シュガーランド戦に先発。2回で53球を投げ、2安打2失点3K。最速は96・2マイル(約154・8キロ)。

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