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W杯最終予選で2発「気にならなかった」顔面にレーザーポインター攻撃されても動じない日本代表FW

スポーツ報知 2024年9月12日 5時10分

◆サッカー北中米W杯アジア最終予選 第2戦 バーレーン0―5日本(10日、バーレーン・リファー)

 【リファー(バーレーン)10日】サッカー日本代表(FIFAランキング18位)はバーレーン代表(同80位)に5―0で大勝し、3大会ぶりに2連勝スタートを切った。完全アウェーの中、FW上田綺世(あやせ、26)=フェイエノールト=、MF守田英正(29)=スポルティング=がそれぞれ2得点し、大量5ゴール。代表史上初めて国際Aマッチで4試合連続5得点以上をマーク。中国戦(5日・7〇0)に続き、日本の最終予選史上最多となる2戦12得点と圧倒した。10月はサウジアラビア戦(10日・ジッダ)、オーストラリア戦(15日・埼玉)に臨む。

 上田の顔面が緑色に照らされた。0―0で迎えた前半37分、上田がPKのボールをセットすると、客席のバーレーンサポーター数人がレーザーポインターで上田を“攻撃”する愚行を働いた。それでもエースは動じなかった。「自分の時間をうまく作れた。PKに集中して自分の中に入れた。そこまで気にならなかった」。冷静に右足を振り抜いてネットを揺らし、アウェーサポーターを黙らせた。

 1―0の後半2分には体を伸ばしてMF伊東からの横パスを収め、豪快なシュートでチームの2点目。同16分にはMF守田の3点目をポストプレーでアシストした。相手の嫌がらせに屈することなく、大アウェーの地での完勝を呼び込んだ。

 「集中力」が点取り屋としての強みだ。23年6月の親善試合エルサルバドル戦(6〇0)の前半4分、代表初得点を挙げたが、PKに集中するあまり、自身を倒した相手DFが退場処分を食らい、ピッチを去ったことに気づかなかった。その後もDFを欺くことに必死で、ハーフタイムに三笘から「相手が10人だからガンガン(プレスに)行って」と言われた際に「え?そうなの?って」(上田)。ゴールへの欲が、レーザー光線で切れるはずがなかった。

 信条は「FWが点を取れば勝てる」。2次予選でチーム最多の6得点。不動のエースとして最終予選に臨み、7得点の圧勝を演出した中国戦に続き、2戦目は2ゴール1アシストと数字を残した。「チーム一丸となって準備できていた。難しいゲームになったが、その姿勢があったからこういう結果を勝ち取れた」。上田が真のエースとしての一歩を踏み出した。(岡島 智哉)

 ◆レーザーポインターが与える悪影響 レーザー光線を発するのがレーザーポインター。レーザー光線はエネルギーが強いため、目に照射すると眼底の網膜が熱傷を受けて一時的に視力が低下する。熱傷がひどいと失明することもあり、経産省は消費生活用製品安全法の「特別特定製品」に追加し、2001年に規制を開始。基準に適合したもの以外の製造、販売は禁止されている。通常はプロジェクターなどを使ったプレゼンテーションで赤や緑の光を当てて指し示すのに使用される。

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