西武、巨人、オリックスでプロ通算５２５本塁打を放ったレジェンド・清原和博さん（５６）の長男で、慶大の清原正吾内野手（４年＝慶応）が１２日、プロ志望届を提出したことを明かした。１０月２４日のドラフト会議で指名を受ければ、父子２代でのプロ野球選手が誕生することになる。
【正吾に聞く】
―プロ志望に至った心境は？
「大学から野球を始めて、４年間やってきた。ラストイヤーで、自分の中で挑戦と覚悟というところが一番大きい。あとはシンプルに、父親である清原和博という背中を見てきて、夢のある舞台ですし、今挑戦できることに感謝して、この環境に感謝しながら、今の人生の中で一番大きな決断をさせていただきました」
―和博さんとはどんな話を？
「不安要素だらけで、最初は悩んで寝れない日もあった。そこで自分の心の支えとなったのが、家族と監督。両親、弟含め、僕の決断を最優先してくれた。親として考えることは多くあったと思うが、何日も何日も相談しあって、お互い熱くなる時もあったんですけど、最終的には僕の意見を尊重して支えてくれています」
―和博さんが一番プロの厳しさを知っている。
「僕自身も小さい頃、現役時代で父親がプレーしていて、プロの厳しさっていうのはわかっているつもりですし、そこは父親も考えたんだと思います。プロの厳しさを一番わかってる父親と、それをずっと支えてきた母親っていうところで、本当に考えたと思います。打てない日もあれば打てる日もある。気性の上げ下げっていうのは少なからずあったと、僕も感じてきましたし、そこまでになる厳しい世界なんだなっていう風には実感しました」
―プロ野球の素晴らしさとは？
「父親がダイヤモンドを一周する姿っていうのは、本当に華がありますし、僕もちっちゃい頃から見ていた景色だったんで、そこに対しての憧れというか、目標っていうのは常にありました」
―北海道での一発は大きかったか？
「エスコンフィールドっていう新球場でホームランを打ったことに関しては、自分の中でも特別な１本になりました。あの舞台で野球ができるっていう、ほんとに幸せな環境。生まれた時から憧れを持っていた場所なので、強い意志に変わった一因なのかなと思います」
―和博さんからの印象的な言葉は？
「正吾の人生なんだし、正吾の意見を一番尊重するっていう風に言ってくださったのは、僕自身、悩んでいたところがすっきりした部分でもあった。両親共々、自分の人生を一番尊重して最優先に考えてくれたっていうのが、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
―１２球団ＯＫ？
「はい」
―父の存在を踏まえての期待がある。改めてどのように捉えてリーグ戦を戦いたいか？
「父親の息子で生まれてきた以上は、その使命を請け負いながら生きていくことにはなる。そこは全然僕はネガティブな要素は一切なく、ポジティブなところだけ。注目していただけているのは本当にありがたいこと。この環境で野球をやっていることにも感謝ですし。本当に今こうやって挑戦できることにも、当たり前じゃない。そこに関しては本当にポジティブな要素だけです」
―プロからの評価、いわゆる指名順位とかも含めて、こだわりはな い？
「ないです。そんな言える立場でもない。そこに関しては全くない」
―いろんな縛りがあると思う。育成指名は？
「どこまで広げるかっていうところは監督と家族もそうですし、ちゃんと話し合いたい。僕自身、とりあえずはこの秋のシーズンが勝負だと思っているので、そこに集中したい。監督と両親、自分の気持ちと相談しながら、もし評価をしてくださる球団がいるのであれば、真剣に考えたいです」