歌舞伎俳優の中村橋之助、中村福之助、中村歌之助による自主公演「神谷町小歌舞伎」（１３日まで）が１２日、東京・浅草公会堂で初日を迎えた。
「いずれ大歌舞伎に」という願いを込めて「神谷町小歌舞伎」と題し、昨年から始まった成駒屋３兄弟の自主公演。「幼い頃から相撲が大好き」という福之助は「一本刀土俵入」の駒形茂兵衛を初役で勤めた。尊敬する中村勘九郎から教わり、素朴で人情味あふれる茂兵衛を演じきった。開演前の演目解説では「難しいことを考えず、心で感じてください」と呼びかけた。
「双蝶々曲輪日記 角力場」も相撲を題材にした演目。橋之助が人気力士の濡髪長五郎を貫録たっぷりに演じ、歌之助が素人角力で名をあげた放駒長吉と若旦那の山崎屋与五郎を早替わりで演じた。客演の中村鶴松が「一本刀」ではお蔦、「角力場」では吾妻といずれも女形の重要な役を勤め、花を添えた。
３兄弟を中心に成駒屋一門が力を結集して開催する公演。福之助は「僕は出版物担当なので、パンフレット（税込み２０００円）を買ってください」とアピールした。イヤホンガイドは３人が監修。「一本刀」は福之助がナレーションを担当し、「角力場」は福之助と親交がある伊勢ヶ濱親方が解説者を務めた。
さらに来年５月１～２日に東京・浅草公会堂で「第３回神谷町小歌舞伎」を開催することが、発表された。