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フェンシング20歳の飯村一輝「エース」「顔」へ決意 パリ五輪金メダル 父は太田雄貴氏のコーチ

スポーツ報知 2024年9月12日 20時4分

 フェンシング男子フルーレ日本代表の飯村一輝(慶大)が12日、スポンサー契約を結ぶ総合ロックメーカーのアルファ本社(横浜市)を訪問し、国際大会の活動報告を行った。今夏のパリ五輪団体では最年少メンバーとして初の金メダルに貢献。塚野哲幸社長から「王座の風格」との花言葉を持つキングプロテアを含む花束を受け取ると、20歳は「これまでは先輩の足を引っ張らないようにという感覚だった。今後は僕がエースとして日本を引っ張っていけるようにやっていきたい」と決意を口にした。

 初の五輪では個人でメダルまであと一歩の4位。団体では「これまでは先輩方がいて、僕は3番手で起爆剤として流れや雰囲気を変える役割を担っていた」というが、過去7度優勝のイタリアとの決勝では、アンカーに抜てき。最後の1点を突いて締め「観客の歓声と達成したというゾワゾワ感を味わった。自分でも怖いぐらい冷静にやれた」と大舞台で勝負強さを示した。

 飯村の父・栄彦さんは08年北京で個人、12年ロンドンで団体銀の太田雄貴氏のコーチを務めた。幼い頃から交流があった太田氏は憧れの存在。同氏も果たせなかった五輪金の夢をかなえ、「僕たちは太田さんに憧れて育った世代。金メダルを取った瞬間に抱きしめていただいて、うれしかったです。太田さんも成し得なかった夢を、僕たちがかなえられたことはすごくうれしかった」と歴史を塗り替え、達成感に浸った。

 新エースは、フェンシング界の新たな“顔”になっていく。アルファ提供のプレミアムスマートロックのアンバサダーに就任し、JR新杉田駅などにはマスクを外した姿のポスターが貼られている。「フェンシングはマスクをかぶる競技なので、顔と名前を一致してもらえないことの方が多くて。マスクの中を初めて見た、ということも結構ある。(今後は)広告塔としても、フェンシング界を担っていけたら」。10月の国民スポーツ大会(佐賀)では京都代表選手団の旗手を務めることも決まっている。名実ともに高みを目指していく。

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