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石川を田口を鼓舞 21年ヤクルト日本一を支えた青木の「言葉」…担当記者が見た

スポーツ報知 2024年9月14日 6時0分

 現役最年長野手のヤクルト・青木宣親外野手(42)が13日、都内の球団事務所で会見に臨み、今季限りでの引退を正式に表明した。NPBとMLBでプレーした選手では、イチローに次ぐ通算2723安打を積み上げたミスタースワローズは、21年間を「100点満点」と笑顔で総括。“第二の野球人生”として「監督はやってみたい」と将来的な指導者としての夢も明かした。また、歴代担当記者が「見た」で振り返った。

 美しい涙だった。青木は、石川と肩を抱き合い、涙を拭いながら歓喜の輪へと歩みを進めた。21年11月27日、時間は午後11時を過ぎていた。オリックスとの日本シリーズ第6戦を延長で制し、自身初の日本一。春季キャンプで「まだ日本シリーズに出たことがない。出て、日本一になりたい」と語ってから9か月。長く夢見てきた光景が目の前に広がり、感極まった。

 20年ぶりの栄冠は、青木の存在なくしては成し得なかった。類いまれな技術、勝負強さを備えた打撃だけでなく、精神的支柱としてもナインを鼓舞し続けた。10月上旬、優勝争い中の阪神との3連戦で気迫の3連投を見せた田口には、マネジャーに連絡先を聞き「ナイスピッチング。絶対に優勝しような」とねぎらった。開幕ローテ入りを逃した石川には「絶対に大丈夫。チャンスがあるから頑張ろうよ」と励ましの連絡をし、復調した左腕は日本シリーズ第4戦でセ最年長41歳10か月での勝利投手に。皆が青木に支えられ、ツバメ軍団は頂点へと舞い上がった。

 高い壁に挑み続けること。青木はそれが「この世界で生きていくために必要なもの」だと言った。挑戦を続けてきた男は、どんな“第二の人生”を歩むのだろう。興味は尽きない。(21年担当・小島 和之)

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