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ロッテ・鈴木昭汰、先輩の背中を追いかけ急成長 守護神の座「“いつかは奪いたい」46試合で驚異の防御率0・41

スポーツ報知 2024年9月15日 8時0分

 各担当記者の推し選手を紹介する「推しえて」第11回は、ロッテ・鈴木昭汰投手(26)。20年ドラフト1位で入団し、プロ4年目。今年は主にリード時の8回のマウンドを託され、46試合で驚異の防御率0・41。自責点がついたのはわずか1試合のみ。守護神・益田の偉大な背中を追いかける急成長左腕は、将来的なクローザー奪取への決意もにじませた。(取材・構成=竹内 夏紀)

 悔いの残る1球が、成長の糧になった。今季ここまで、鈴木の忘れられない試合は6月29日の本拠オリックス戦。同点の延長10回1死二塁から杉本に外角のツーシームを左翼席に運ばれた場面だ。

 「自責点2。あの試合が一番覚えています。悔いの残った1球。打たれるべくして打たれた。浮いていて、外のバットが乗るコースに投げてしまった。あそこでもう少し攻められたら…。でもあれで学べたことがあった。打たれてよかったとは思わないけど、次につながったとは思います」

 無死満塁の緊急登板を無失点で切り抜けるなど、何度もチームを救い、今季46登板で自責点はそのオリックス戦で喫した1度だけ、防御率0・41と、圧倒的な数字をマーク。充実の4年目を過ごす。

 「次の日の登板に持ち込まずに、よくても悪くても、1登板ずつ積み重ねていけているかな。『抑えられているから』というメンタリティーもあるのかもしれない。浮き沈みがなく投げられている。(3年目までとは)違いますね、学ぶことも多い。1軍にいないと、学べないこともある。ここで活躍するために、日々練習している。この舞台で戦いながら、いろんな人の話を聞けて、全てが経験につながっています」

 開幕から14試合連続無失点。5月から自身初めて勝ちパターンを担った。8回のマウンドを託され、守護神・益田へとバトンをつなぐ。

 「初めて勝ちパターンに入って、益田さんに気持ちの持ち方、試合の入り方とかを見たり聞いたりもする。ずっとあれだけ毎年、あのポジションで投げ続けてる人ですから。“いつかはそれを奪いたい”と思うし、あれだけ続けてきた何かがあると思うので」

 プロ初セーブを含む5セーブを挙げた。だからこそ、名球会入りが目前に迫る益田のすごみもよりわかる。

 「憧れと言ったら、なんかあれですけど。偉大。もうすぐ250セーブも達成する(現在241セーブ)。僕も5回セーブシチュエーションやってますけど、あと245回やらないといけないと思うと、すげえなって。何より体が強いし。他にもいろんな先輩がいますけど、特に益田さんの練習は見るようにしてますね」

 精神的な変化もあった。すぐに答えを求めず、まずは考えるようになったという。

 「普段の練習を見ていて、(気になっても)本人に聞きに行かない時もあります。自分で解釈する。聞いて答えを出すのと、自分で考えて行動するのとでは全然違うと思う。聞くことが悪いことじゃないけど、理解することで、自分の行動や今後に生きてくる気がします」

 9月7日には26歳の誕生日を迎えた。主軸としてチームを背負う覚悟も芽生えてきた。

 「(25歳の1年間は)よかったし、内容が濃かった。(26歳は)もっと内容の濃い1年にしたい。いろんなことをもっと経験したいです。この成績を来年も再来年も残さないといけない。残すためにどうするか、しっかり考えてやっていきたいなと思います」

 吉井監督も評価する重くキレのいい直球は最速153キロ。スライダー、ツーシームを操る左腕には、将来的な夢も口にした。

 「中継ぎをやっている以上はクローザーをやりたいです。最後、自分が投げてチームが勝つっていうのがすごくいいな~って、めっちゃ思う。そのためには、もっと活躍して、もっともっと信頼を得ないといけないと思う」

 チームは現在3位。2年連続のCS出場をかけた戦いが続いている。

 「本当に順位争いがし烈なので、勝てる試合をしっかり勝てるようにしたい。やっぱり僕が抑えるところが勝ちにつながるところだし、しっかり抑えたいなと思います」

 ◆鈴木 昭汰(すずき・しょうた)1998年9月7日、茨城・土浦市生まれ。26歳。土浦霞ケ浦ボーイズで中3夏に全国大会準優勝、ジャイアンツカップ3位。U―15日本代表。常総学院で甲子園に3度出場し、法大ではリーグ戦通算3勝5敗、防御率3.01。2020年ドラフト1位でロッテ入団。21年4月25日、ソフトバンク戦でプロ初勝利。座右の銘は「不動心」。175センチ、80キロ。左投左打。年俸1800万円(推定)。

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