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110年ぶり新入幕Vの尊富士が十両で無傷8連勝「自分の相撲を取ることに集中していた」来場所再入幕へ前進

スポーツ報知 2024年9月16日 5時25分

◆大相撲 ▽秋場所8日目(15日、東京・両国国技館)

 元幕内の西十両11枚目・尊富士(たけるふじ、25)=伊勢ケ浜=がストレート給金を決めた。東同8枚目・朝紅龍(25)=高砂=を押し出しで圧倒した。故郷の青森県は幕内力士が141年途切れていない。兄弟子の宝富士と錦富士が幕内下位で奮闘中だが、正念場を迎えている。屈指の相撲どころを守る一翼となるべく、尊富士が再入幕へさらに白星を伸ばす。

 十両土俵での圧巻の内容に、館内がどよめいた。尊富士は鋭い出足で一気に前に出ると朝紅龍を押し出し。土俵下まで吹っ飛ばした。110年ぶりの新入幕優勝を果たした3月の春場所以来となる勝ち越しをストレートで決めた。「自分の相撲を取ることに集中していた」と冷静に振り返った。

 ここまで苦しんだ。春場所での快挙も、14日目に負傷した右足首の回復が遅れて5月の夏場所は全休。十両に転落した7月の名古屋場所も初日から休場し、8日目から途中出場するも、場所前に負傷していた左大胸筋の状態が悪化。途中休場を余儀なくされた。初日からの出場は3場所ぶりだが、持ち味の速攻相撲がようやく戻ってきた。

 故郷の牙城を守る。青森・五所川原市出身。同県出身の幕内力士は141年も途切れていない。現在は兄弟子の宝富士と錦富士が奮闘しているが、それぞれ西前頭15枚目、幕尻の東同17枚目と正念場だ。「幕内に残りたいのは、宝富士関と錦富士関が何よりも感じている。自分が頑張ることで、次の青森の力士も育ってくれたら」と明かした。大勝ちすれば再入幕も視野に入るだけに、さらなる白星の積み上げを狙う。

 十両優勝争いでも単独トップに立った。故障に苦しんだだけに、まずは「けがをしないこと」と強調。その上で「(幕内復帰と)思ってやっている。来場所につなげられるように取りたいと思っている」。春を沸かせた25歳が再び輝き始めた。(大西 健太)

 ◆幕内力士が長く途切れていない都道府県 青森県が141年で最も長い。日本相撲協会の資料によると、後に大関となった一ノ矢が1883(明治16)年5月場所で入幕して以来、幕内を輩出し続けている。2位は茨城県の42年(1982年夏場所~)で、他を圧倒している。

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