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背番15で躍動 李承信「自信が持てるゲームになった」 サモアに49―27 5年ぶりV王手…PNC準決勝

スポーツ報知 2024年9月15日 21時30分

◆ラグビー ▽アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024 日本49―27サモア(15日、秩父宮ラグビー場)

 準決勝で世界ランク14位の日本は、同13位のサモアを49―27で破り、5年ぶり頂点に王手をかけた。日本代表で初めてFBで先発の李承信(神戸)が、1トライを含む計17得点と活躍し、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が9年ぶりに15年W杯代表の立川理道(東京ベイ)をSOに、李をFBに起用し、奏功した。日本は21日の決勝(大阪・花園ラグビー場)で同10位のフィジーと対戦する。

 日本代表で初めて背番「15番」で先発した李が、1万4893人の観衆を沸かせた。1トライ、6ゴールの計17得点。後半途中に立川が退いた後はいつものSOにポジションに移り、司令塔として流れを作った。大車輪の活躍でMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出された23歳は「15番で初めてスタートで出ましたけど、自分がラグビー選手として成長できるいい経験になった。自分のスキルやプレーの幅がスコアにつながったので、本当に自信が持てるゲームになった」。MOM賞のビール缶100本も手にし、充実の汗をぬぐった。

 不安はなく冷静に仕事を遂行した。前半6分、李が敵陣22メートル付近から絶妙なキックパスを通し、CTBライリーが反応し、先制トライをお膳立て。14―7の同16分は、李が再びキックパスでWTB長田智希のトライを演出。全6本のコンバージョンキックを成功させ、同39分には自らトライを決めた。既にリーグワンで3試合のFB経験があった李は「苦手意識はなかった」と結果を示した。ジョーンズHCは「いい形で順応しているし、ゴールキックも決めている」と高評価。「(MOMで)ビール100本を獲得したのは懸念。彼はビールがとても好きなので、他の人に与えて…」と冗談を言うほど李の出来に上機嫌だった。

 昨年W杯フランス大会で正司令塔の松田力也(トヨタ)に加え、テストマッチでプレーできる10番として、李の「能力を見込める」と抜てき。FBで起用してきた矢崎由高(早大)、山沢拓也(埼玉)を欠いた中、李をFBで試し、立川をSOで先発起用させるのが「最適」と起用を決めた。認定1を含む計7トライを奪い、「ステップアップとなるゲームだった」と手応えを得た。

 19年以来、5年ぶりの優勝を懸け、決勝は強豪のフィジーに挑む。対戦成績は日本の4勝15敗。ラック周辺のディフェンスを課題に挙げ、約1週間の調整に入る。「成熟している」とジョーンズHCが信頼を口にする23歳。李は「新しい経験ができて、自分としても成長できている」と語った。

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