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ロス五輪導入の“SASUKE”練習でやけど? 「室内でできる場所が欲しい」…近代五種パリ銀の佐藤が切実な訴え

スポーツ報知 2024年9月15日 21時59分

 日本近代五種協会は15日、パリ五輪で日本勢初の銀メダルを獲得した男子の佐藤大宗、女子で同代表の内田美咲(ともに自衛隊)の報告会を都内で行った。

 佐藤が五輪採用から112年にして日本勢で初めて表彰台に立った近代五種は、28年ロサンゼルス五輪から新たな局面を迎える。馬術に代わって、障害物レース(オブスタクル)が採用。22年にトルコで行われたテスト大会でTBSテレビの番組「SASUKE」のセットが使われたことでも注目を集めている。佐藤は新方式でも「オブスタクルは初心者で伸びしろしかない。馬術競技から変わっても『佐藤、やっぱ強いな』と思わせたい」と意欲を見せる。

 一方で、練習環境には切実な声を上げた。「屋内でできる場所が欲しいなと率直に思う」。その理由について「日本の夏は最近、本当にすごく暑い。オブスタクルはだいたい機材が鉄で作られているので。やけどしてしまったりとか、競技を行うのが本当に難しくなっている」と説明した。

 オブスタクルスポーツの施設は全国各地に増えているが、屋外に設置されているのが一般的だという。トップ選手が活用する千葉の施設も屋外。「室内で冷暖房設備がしっかりしている方が選手もパフォーマンスを出せる環境だと思う」と自身の見解を語り、「そこを支えてくれるスポンサーの方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします」と頭を下げた。

 一方でオブスタクルの採用で競技を始める敷居が下がり、競技人口増加につながることへの期待もある。日本協会によると、近代五種の国内の競技人口は約50人。佐藤は「メダルを取って終わりじゃなくて、ここからが新たなスタート。どれだけ競技人口を増やせるか。一人で五つもやる他にはない種目。皆さんが注目して、やり始める方が出てくると本当にうれしい」と、メダルが起爆剤となることを願った。

 女子の内田も、競技の活性化への期待を口にした。「佐藤さんのメダル獲得のおかげで、近代五種の名もちょっとずつは広がってきていて、本当にすごいなと思う」。自身も今後、オリンピアンとして小中学校の訪問などを予定しており「そういったところで近代五種の魅力を子供たちに伝えたり、(入門競技の)近代3種というのもあるので、そこから始めてもらったり、興味を持ってもらえるようにしたい」と力を込めた。

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