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大の里、大関ノルマ達成率100%となる無傷10連勝 八角理事長「残り5日間で3敗するとは思えない」

スポーツ報知 2024年9月18日 6時30分

◆大相撲秋場所10日目(17日、東京・両国国技館)

 大関取りを狙う関脇・大の里が土つかずの10連勝を飾った。唯一の1敗で追っていた元大関の関脇・霧島に寄り切りで快勝。単独トップの座を守るとともに、後続に2差をつけた。今年夏場所以来となる2度目の賜杯と大関昇進に向け、さらに視界が広がってきた。2敗で続くのは霧島に平幕の若隆景、錦木、高安を加えた4人。両大関はともに白星で琴桜は7勝目、豊昇龍は6勝目を挙げた。

 大の里は奇襲に動じなかった。霧島が立ち合いで左に動いたが、すぐに得意の右四つに持ち込んだ。左おっつけで相手の腰を浮かせ、盤石の寄りで土俵外に勢いよく吹っ飛ばした。変化は予想していなかったというが、「しっかり集中できていた」と大の里。審判として土俵下で見守った師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「霧島の作戦負け。大の里は落ち着いて取れていた」とたたえた。

 十両時代を含め、初の10連勝。それでも「まだ場所は終わっていない」と浮かれた様子はなかった。あと2勝で12勝となり、大関昇進目安とされる直近3場所の合計33勝に到達。過去のデータを比較すると“大関ノルマ達成率100%”も出た。関脇で初日からの10連勝は18年名古屋場所の御嶽海以来となる17例目で、いずれも12勝以上を挙げている。

 左四つが得意の霧島には2戦全勝だったが、ともに霧島が首痛などを抱え、万全でなかった。場所前の今月2日に師匠の胸を借りた“左四つ対策”も奏功。17番の相撲を取ったが、同親方は意図を「攻め方が一辺倒になっている。あまり(現役に)左四つ(の力士)がいないし、いい刺激になればいい」と明かした。得意の左四つで横綱に上り詰めた師匠の厳しい攻めを体にすり込ませた。

 1敗勢がいなくなり、後続は2敗の霧島ら4人。大の里の無双ぶりを、八角理事長(元横綱・北勝海)も「イメージがいい。優勝を経験していることも大きい。2敗の力士がついていけるかどうかだ。大の里が残り5日間で3敗するとは思えない」と評した。

 11日目は平幕・琴勝峰戦。残り5番へ、「目の前の相手に集中するだけ。先のことは考えずに頑張ります」と大の里に邪念はない。大関の座を射止めれば初土俵から所要9場所で、羽黒山、豊山、雅山の所要12場所の昭和以降のスピード記録を上回る。夏場所以来の2度目の優勝と昇進がくっきりと見えてきた。(山田 豊)

 ◆関脇の初日から10連勝以上

 1場所15日制が定着した1949年5月場所以降では2018年名古屋場所の御嶽海以来、17例目。過去16例全てで12勝以上が記録されている。また、うち7例で優勝しており、12例が場所後に大関昇進を決めている。なお最多は1981年初場所の千代の富士の14連勝。このときは初優勝と大関昇進を決めた。

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