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浦和に「原口元気効果」あり 興梠「すごく成長した」 小泉「元気くんは忖度がない。思ったことは言う」

スポーツ報知 2024年9月18日 0時5分

 J1浦和の元日本代表MF原口元気が17日、さいたま市内で練習後に取材に応じ、21日のホーム・FC東京戦(埼玉)に向けて意気込みを語った。

 14年6月に浦和からドイツ移籍前ラストゲームに出場後、ピッチで「日本に帰ってくる時はここしかない」とスピーチした“約束の地”に10年ぶりの帰還。「点を取りたいとかはあるけど、まずはチームが勝つこと。2連勝して、完璧なマチェイさん(スコルジャ新監督)のスタートを切ることにフォーカスして、その中で思いっきり楽しみたい」と力を込めた。

 ドイツで10シーズンにわたってプレーし、今月1日に浦和へ10年ぶりに復帰した。4日のチーム合流から約2週間。高い強度のプレー、1本のパススピードや精度、練習に対する姿勢、試合の締め方、チームメートへの声かけなど、欧州や日本代表で培った経験を古巣に還元している。

 「いっぱい話すことは本当に心がけています。あんまりこっちがこうした方がいいよって言うより、どう考えているのかをまず聞くのを意識していて、頭ごなしにミスした時や良くないプレーをした時に言うんじゃなくて、まず話し合いから始めるのは意識してます」

 ベテラン、中堅、若手。多くの浦和の選手も「原口効果」を口にした。

 ともにプレー経験があるFW興梠慎三は「僕からしてみたらクソガキですよ」と冗談をまじえながら、「今やるべきことはということを考えた時には、声出しもそうだけど、絶対に失ってほしくないところで『キープ!』とかすごく(言っている)。あいつはそういうところで昔はドリブルして取られたりしてたけど、試合運びはすごく、一番経験してるので、あいつ自身が一番分かってると思うけど、すごく成長したなと感じます」とたたえた。

 14日のアウェーG大阪戦でともにプレーしたGK西川周作は「新幹線で隣に座って、東京~大阪間はずっと『早く試合したい』と言ってて、鼻息が荒かった」と明かし、「勝利に対する姿勢を練習から見せてくれている。10年前の元気からだいぶ大人になった」と成長ぶりを語った。

 この日の練習では、基礎的なパス交換時に「こういうのからちゃんとやろう!」、紅白戦でも若手選手に「もっとしゃべれ!」。原口の威勢のいいかけ声が飛んだ。今回初めて原口とチームメートになった選手も、その存在感に脱帽している。

 MF小泉佳穂はサブ組で原口とともにプレーする時間が長く「元気くんは忖度がないというか、思ったことは言う。そこがすごく新鮮だし、今の浦和に足りないものだと思う」。原口の発言に重みと影響力がある中で「元気くんより年下の僕らがそこに負けちゃいけない。熱量でもそうだし、厳しいことを言われても、プレーで自分の主張を表現しなきゃいけないし、時には言うことも大事。そこでいい活性化が生まれるのは今のチームには一番大事」と強調した。

 DF石原広教は「元気くんが締める言葉を言えば、かなり締まる。練習への意識はめちゃくちゃストイックだし、先週のセットプレーでも強度のところを言ってくれた。めちゃくちゃいい存在です。世界でやってきた選手がそれだけやっていて、自分がやらないわけにはいけない。ポゼッションの時に『1タッチでいける』『ここを見とけ』とか、コーチングはかなり助かる」とかみしめた。

 練習前のジムでの筋トレ時など、原口は若手選手と積極的にコミュニケーションを取っているという。「どう考えても、見てきたものとか場数は多いので、その都度で感じたことを、その選手が伸びる伸びないっていうよりも、どうやったらチームが勝つかにフォーカスして、なるべくコミュニケーションをとっていくことが大事」。浦和育ちのレジェンドが放つ発言、姿勢、プレーの1つ1つが、上位浮上を狙うチームを活性化させる。(星野 浩司)

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