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アリス、日本武道館で谷村新司さん追悼コンサート、堀内孝雄「ありがとう!胸がいっぱい」と声震わす

スポーツ報知 2024年9月18日 21時2分

 昨年10月に亡くなった谷村新司さん(享年74)がリーダーを務めた3人組バンド「アリス」が18日、東京・日本武道館で追悼コンサート「ALICE FOREVER~アリガトウ~」を行った。谷村さんの声と映像をシンクロさせ、堀内孝雄(74)、矢沢透(75)がパフォーマンス。ヒット曲「冬の稲妻」「チャンピオン」など21曲を披露した。(加茂 伸太郎)

 堀内が「僕らの永遠のリーダーです。谷村新司!」と紹介すると、在りし日の谷村さんの姿が画面いっぱいに映し出された。

 「メンバー紹介します。ボーカル・ギター、堀内孝雄」と返す谷村さん。万雷の拍手に、堀内は「ありがとう! 胸がいっぱいです、本当に。頭っからもう…」と声を震わせた。「何でオマエは逝ったんだ。つくづく、そんな思いでいっぱいでございます。1年を迎えようとしていますが、いつも歌を通り過ぎる時、胸がいっぱいになります。今日もそうなるのかと思います。どうか、みんな、助けてくれ」と絶叫した。

 左から堀内、矢沢、谷村さんの並び順はそのままに、谷村さんの“定位置”にはマイクスタンドと愛用のギターが複数本、置かれた。天国の盟友に向けて「追悼の思いを込めて精いっぱい歌いたいと思います」(堀内)。「冬の稲妻」で幕開け。約2時間、7800人を前に「秋止符」「ジョニーの子守唄」「狂った果実」など21曲をパワフルに歌い上げた。「帰らざる日々」では、マイクスタンドにスポットライトが当たった。

 1978年8月の初の日本武道館公演から46年が経(た)った。5年ぶりの音楽の聖地となったが「意味のある場所。憧れて一路まい進した場所」(堀内)に、チンペイの姿はない。

 開演前に取材に応じた堀内は「寂しさでいっぱいですよ。折に触れて。仕事が歌なんで、歌うとダメですね。何かにつけて、歌詞に彼を引っ付けてしまう。永遠に続くんだろうね、自分が歌っている限りは…」と喪失感を告白した。

 その一方で、現実を受け止め、失ったものを必死に埋めようとしてきた1年間だった。矢沢は「最初は谷村ロスになったけど、いつまでそうなっていても仕方がない。一生懸命に前を向いて、自分もやらなきゃという思いが強い。本当の悲しさは、もっと後から来るのかもしれませんけど。全部終わってからね…。今は前を向いている。やるだけなんで」と言いきった。

 アリスの今後について、矢沢は「大阪城ホールが終わってから。(そこから)全てが始まるんじゃないかな。谷村はいないけど、谷村に一番いいものを見せられれば」と優しくほほ笑んだ。次は10月13日の大阪公演(大阪城ホール)。先のことは考えず、目の前のステージに集中する。

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