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【巨人】岡本和真がM3弾 2点差迫られ「絶対に取り返すと強い気持ちで打席に」ここぞの4番が27号

スポーツ報知 2024年9月27日 5時0分

◆JERA セ・リーグ DeNA4―12巨人(26日・横浜)

 巨人がDeNAに18安打12得点で大勝。優勝マジックを3に減らし、2位・阪神とのゲーム差を2に広げた。阿部慎之助監督(45)は浅野に代えてオコエ瑠偉外野手(27)を起用するなど、直近3戦で1得点だった打線を組み替え。すると初回、2回と3点を奪うなど序盤から主導権を握った。2点差に迫られた4回には、岡本和真内野手(28)と坂本勇人内野手(35)の今季3度目となるアベック弾で突き放した。27日は本拠・東京Dで中日と対戦。最短で28日に優勝が決まる。

 傾きかけた流れを引き戻した。左翼ポール際へと伸びていく白球を見つめながら、岡本和は余韻たっぷりに歩き出す。3点を奪われ、2点差に迫られた直後の一発。悠然とダイヤモンドを一周して仲間が待つ三塁ベンチへ戻ると、笑みがこぼれる。頼りになる4番が魂の一振りで、嫌なムードを吹き飛ばした。

 「(点を)取られた後だったので、絶対に取り返すと強い気持ちで打席に入りました。最高の結果になって良かったです」

 崩されなかった。2点リードの4回先頭。1ボール2ストライクから、上茶谷の外角の130キロスライダーに反応した。地面を踏みしめ、強烈なスイングから高々と白球を舞い上げて左翼席へ。20日の広島戦(マツダ)以来、5試合ぶりの今季27号ソロをたたき込んだ。この回に坂本も2ランを放ち、新旧主将による今季3度目のアベック弾で試合を決め、阿部監督は「流れが向こうに行きかけたんだけどね」とうなった。

 勝負の時期に頼もしい。初回1死一塁で左前に運ぶと、5回1死一塁でも左前安打。21日の広島戦(マツダ)以来となる猛打賞で、通算1000安打に王手をかけた。9月は打率3割2分9厘、6本塁打、14打点と好調だ。要因について「順位。順位じゃないですかね」と、優勝を争う緊迫した戦いが力になっていると自己分析。しびれる試合が続く中で「緊張するのは普通だし、もういつも通りですよ」と心強い。

 基本に立ち返って、底を脱した。今季は浮き沈みの激しいシーズンを過ごしてきた。特に6月は打率2割1分7厘、3本塁打と低迷。浮上のきっかけは7月3日の練習後だった。体のバランスに乱れを感じた岡本和はトレーナーに相談。チェックしてみると、体幹とお尻の筋肉が使えておらず、「ちゃんと立てていなかった」。野球は立った状態から移動したり、体を回転させたりするため、正しく立てていないことで全てのプレーに影響が出ていたという。そこで「しっかり立てるようにすること」をテーマに、片足でのスクワットや、不安定な足場でのトレーニングを増やした。足元から見つめ直した直後の6試合で3発とトンネルを脱出。現在も継続しており、ストイックに向き合ってきたことが終盤での本領発揮につながっている。

 得点力不足に苦しんできたチームは12点を奪って、勝利。優勝へのマジックナンバーは3になった。「こういう勝ち方をした次の日が大事なので頑張りたい」と引き締めた主将。残り4戦。どっしりと構える4番が、歓喜の道を進んでいく。

(宮内 孝太)

 【宮本和知Point】切羽詰まった状況での試合をモノにするのは、やっぱり4番。岡本和が4回、流れを引き戻して雰囲気を変える27号。猛打賞のバットもさることながら、2回2死一、三塁で重盗を決めるホームイン。気迫あふれる、すごい走塁だった。最近3試合で1点しか取れなかった打線の責任を感じていたはず。「俺がやってやる」という自覚が見事なまでに出ていたね。(スポーツ報知評論家)

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