女子プロゴルフで日本ツアー１４勝の有村智恵（３６）と元賞金女王の森田理香子（３４）が２７日、「センコーグループ ＬＡＤＹ ＧＯ ＣＵＰ」（１０月５日、滋賀・蒲生ＧＣ）のプレイベントとして都内で開催されたシンポジウム「スポーツの力で超えるジェンダーの壁」に登壇した。
３０代以上の女子プロゴルファーによるトーナメントとして２０２２年にスタートした「ＬＡＤＹ ＧＯ ＣＵＰ」は、ミセスゴルファーやママさんゴルファーの活躍を後押ししてきた。今回で８回目を迎える。大会発起人で４月に双子の男児出産を発表したばかりの有村は「プロゴルファーの生活は火曜日から日曜日まで出張。家に居られるのは月曜だけということが多い。長くこの生活を続けるには限界があるなと思っていたし、子供を育てながらは難しい。その点『センコーグループ ＬＡＤＹ ＧＯ ＣＵＰ』はプロアマを入れても２日間。１日だけの試合だから出たいと言ってくれる人も多い」と語った。
「この１０年でゴルフ業界は変わった。私たちがデビューした頃は３０代の選手も多かった。今は２０代前半の選手が中心の若いツアー。若い選手をリスペクトしているし、その子たちにも何か残せないかと未来を思い描きながらやっている」とし、他競技の選手や、男子プロの参戦も視野に入れている。レスリングで五輪金メダリストの吉田沙保里さん、登坂絵莉さんらゴルフ好きは多い。「将来的には、いろんなアスリートを巻き込んだ大会というのもやってみたい。それに、３０代になって違う人生を考えるのは女性だけじゃない。働き方を変えたい人向けの一歩というか」。頭の中は様々なアイデアであふれている。
１０月の「センコーグループ ＬＡＤＹ ＧＯ ＣＵＰ」は運営として“参戦”。年内は育児に専念し、ママさん選手としてのツアー復帰は早くても２５年となる見通しだ。出産から半年。育児で日々忙しく、まだクラブを握れておらず、トレーニングもできていないが「来年は『ＬＡＤＹ ＧＯ ＣＵＰ』はもちろん、ツアーにも出てみたい」と意欲を示した。
今年６年ぶりにツアー復帰を果たした森田は、今回も「ＬＡＤＹ ＧＯ ＣＵＰ」に参戦する。「頑張ります！」と壇上で宣言。「有村さんの活動に協力させてほしいと思い、去年から参加させてもらった。（１月で）３５歳になるけど、まだまだ若いと思っている。若い子に負けじとゴルフの魅力を発信していきたい」と口にした。年齢を重ねて実感する、自らの変化も心地よさそうだ。「１８歳からプロでやってきたので、以前は目がつり上がっていた。今は柔らかくなったなって自分でも思う」と笑顔を見せた。