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父・和博さん涙…慶大・清原正吾が9回2死に神宮1号で劇的ドロー「チームが負けずにすんでホッとしました」

スポーツ報知 2024年9月29日 7時0分

◆東京六大学野球秋季リーグ戦第3週第1日▽明大3―3慶大(28日・神宮)

 西武、巨人、オリックスで通算525本塁打をマークした清原和博さん(57)を父に持つ慶大・清原正吾内野手(4年)が、明大戦でリーグ戦初本塁打を放った。1点を追う9回2死からのバックスクリーン直撃弾。この劇的な一発で引き分けに持ち込んだ。一方、明大のドラフト1位候補の宗山塁内野手(4年)は、史上34人目のリーグ戦通算100安打を達成した。早大―法大も引き分けとなった。

 高く舞い上がった清原の打球が、センター方向へ伸びていった。明大の中堅手・がじりじりとバックするが、ボールは落ちてこない。「芯で捉えて、ほぼ完璧。いったかどうか…」。願いが通じ、大飛球はバックスクリーンを直撃する同点弾となった。「気持ちいいというか、チームが負けずにすんでホッとしました」。神宮1号の喜びをかみしめながらベースを一周すると、観戦に訪れていた内野スタンドの父・和博さんを指さし「見たか!」と思いを爆発させた。

 開幕週の立大戦は13打数2安打。この試合も第3打席までは2三振と内野ゴロに終わっていた。「最後は4番の仕事をしなければ。僕が決めてやるという気持ちでした」。明大の5番手・大川慈英の初球。真ん中高めのカットボールを迷いなく振り抜いた。リーグ戦通算83打席目での待望の初アーチ。堀井哲也監督(62)は「勝敗に大きくかかわる打席だった。本当に素晴らしい」とたたえた。

 野球チームに所属していたのは小学生までで、中学はバレーボール部、高校ではアメフト部を選んだ。慶大で野球に再チャレンジする際、「ホームランボールを両親にプレゼントする」と心に決めていた。今春は一塁手として初めてベストナインにも輝いていた。「やっとですけど、1号が出たのは本当にうれしい。(スタンドの父は)安どしていたように見えました」と笑顔を見せた。

 大学野球での夢を一つかなえた。指揮官は「神宮でのホームランは自信になると思う」と主砲のさらなる活躍に期待を寄せた。既にプロ志望届を提出。10月のドラフトに向けてのアピールにもなった。「今は、チームの勝利だけにフォーカスして頑張っていきたい」。次の目標は、もちろん2季ぶりのリーグ制覇。清原の目には、これまで以上に強い自覚が宿っていた。(浜木 俊介)

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