◆JERA セ・リーグ 広島1―8巨人(28日・マツダスタジアム)
就任1年目の優勝。阿部監督に「おめでとう!」の言葉を贈りたい。
3月にスポーツ報知の「G九十年かく語りき」というインタビューを受けた時、今年の巨人について、こう言ったんだ。
「2年連続で4位というチームが優勝するためには、2倍の力じゃ無理。3、4倍の力を出さなきゃ難しいよ。ただ、阿部監督が自分の色を出して、阿部の野球を貫けば道は見えてくる」
守り勝つ、という野球を見事に押し通した。戸郷、菅野、グリフィン、山崎伊らの先発が安定していたうえ、補強ポイントだった中継ぎの強化が実った。西舘の加入やケラー、泉の移籍で補充ができ、中盤以降の勝ちパターンが確立したことが大きかった。
そして、しっかり自分を貫いた。打線が全般的に低調だったこともあるが、毎日のようにオーダーを替えた。ヘルナンデスやモンテスの活躍もラッキーと言える。
この日の菅野こそ展開にも恵まれて8回まで続投させたが、基本的に投手交代は早め早め。オーソドックスとは言えず、異質にも思える采配で、よく最後まで持ったな、というのが正直な感想だが、それをブレずに続けたことが勝因だった。(スポーツ報知評論家・堀内恒夫)