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【記者の視点】FC東京、荒木遼太郎「完璧なイメージ通り」 俵積田へのパスに込めたメッセージ

スポーツ報知 2024年9月29日 19時26分

◆明治安田J1リーグ▽第32節 横浜FM1―3FC東京(28日・日産ス)

 FC東京のパリ五輪代表MF荒木遼太郎はアウェーの横浜FM戦で1アシストを含む2得点に絡む活躍を見せ、3―1の逆転勝利で3連勝に貢献した。

 圧巻のプレーは1―1の後半15分だった。荒木は自陣中央で相手FWエウベルに素早くプレスバックしてボール奪取。東慶悟、高宇洋を経由し、ディエゴオリベイラからの落としたボールを左足ダイレクトでスルーパスを送った。

 「タワラなら2人置き去りにできるだろうなって思ってたんで、スペースに流してあげました」。パスを受けたFW俵積田晃太は快足ドリブルで相手DFをぶっちぎり、電光石火のカウンターで逆転ゴールを決めた。

 荒木のメッセージが込められたパスだった。「足元に刺してあげるより、畠中選手もいたんで、後ろのスペースに置いてあげた方がいけるかなと思った。ゴロだとスライディングで最悪カットされるかなって思ってたんで、ちょっと浮かせて出してあげた」。相手のDF畠中槙之輔と松原健の間を射抜く絶妙なパスだった。

 荒木は滑り込みながらパスカット後、立ち上がって相手ゴール方向に向き直して約2秒後にパス。「慶悟さんに入った時に、ヤン(高)に出すのが見えて、ディエゴの位置もわかってたんで、サポートに行ったら落としてくれるかなと思った。あれは完璧なイメージ通りだった」。予測と実際のプレーがぴったり重なった瞬間だった。ゴール後、俵積田に真っ先に駆け寄って祝福したのも荒木だった。

 この日はトップ下として前線、中盤で「守備」が光った。前半24分に相手MF渡辺皓太へ激しいプレスバックをかけてイエローカードを受けたが、直後には相手GKへ猛烈プレスでパスをカットした。「前半からチャンスをなかなか決めれず、自分自身、何か他のところでもチームに貢献しなきゃと思ってた。守備でボールを取ってアシストに繋げたのはよかった」

 荒木のシュートはチーム最多タイの4本。0―1の前半19分には右クロスから相手と接触して倒れ込みながら贈ったパスを経由し、DF岡哲平の同点ゴールが生まれた。3連勝に大きく貢献した背番号71は「個人としてもチームとしても本当に雰囲気や勢いもある。これで勢いに乗るのも大事だけど、地に足つけてまた勝っていきたい」。冷静な言葉の中に、確かな自信を感じさせた。(星野 浩司)

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