将棋の藤井聡太王座＝竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖との七冠＝が３０日、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で指された第７２期王座戦五番勝負第３局で挑戦者の永瀬拓矢九段に逆転勝利し、３連勝で王座初防衛を達成した。
会見でシリーズ３連勝ストレート勝ちになったことについて藤井は「本局は逆転勝ちという形ではあったのですが、シリーズを通して中盤戦が長く、非常に判断の難しい局面が続き、対局していて充実感のあるシリーズであった」と振り返った。
これで八つのタイトル戦すべてで防衛戦を経験したことになる藤井。「そのことに関してはまったく意識はしてなかった。防衛戦ですと開幕に向けてしっかり状態をあげていかなければいけない。ただ、始まってしまえば挑戦か防衛を目指すかは意識するところではない。今期も前期と同じような気持ちで対局していた」
前期、八冠を達成した王座戦第４局でも同ホテルで逆転勝ちを経験しているが、「前期の対局はかなり早い段階から苦しくしてしまっていたが、今回の対局では終盤の入り口までは比較的難しい局面が続いたと思うので、内容としては前期よりも少し前進できたところはあったと感じている」と１年分の手応えを語った。