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「優勝争い、意気に感じてやっていきましょう」巨人の優勝請負人・丸佳浩が9月天王山で志願の円陣 10年前の経験糧に

スポーツ報知 2024年10月3日 5時15分

 阿部慎之助監督(45)が優勝への大きな潮目と挙げたのは9月10日からの2位・広島との首位攻防3連戦(マツダ)。そこには“優勝請負人”と呼ばれる丸佳浩外野手(35)のチームを一つにまとめる行動があった。

 次世代を担う選手たちに、勝者のメンタリティーを植え付けたのは背番号8だった。9月10日の鬼門・マツダで行われた、1ゲーム差の2位・広島との首位攻防戦。試合前の円陣で、丸は「ちょっと今日は真面目な話をしようと思います」と切り出した。

 「優勝争いできているのは選手として幸せ。それをみんな意気に感じてやっていきましょう。僕も5回優勝しましたけど、優勝する時って、どんな状況でも自分の仕事をチーム全体ができていた。今日も選手一人一人がそのシチュエーションでできる最高の仕事をやっていきましょう!」

 円陣の声出しは、若手が行うのが通例。だが、この日は丸が自ら名乗り出た。「どんな時も同じ気持ちでやれるのがベストなんですけど、なかなかそういうわけにもいかないので。勝つチームは、大事なところで勝てたから優勝できるわけですから」。優勝請負人と言われる男が、勝負のにおいを感じ取った。

 10年前の2014年、広島のユニホームを着ていた25歳の丸は、逆の立場で大事な3連戦を戦った。首位・巨人と1差で迎えた9月2日からの首位攻防戦(長野、前橋、宇都宮)。3連戦前の勢いは完全に広島にあった。だが、結果は3連敗。自力優勝が消滅した。「ここで勝てば一気にゲーム差が縮まって、初めて1軍に上がって、優勝できるかもっていう気持ちで臨んだんですが、勢いを完全に落とされた。当時、僕も菊池もそうですけど『巨人は勝負強いな』って。選手が大事な試合というのを分かっているんだなという印象を受けました」。勝つチームはどんなチームなのか。あの3連戦を通じて学んだ。

 あれから10年、巨人の選手となった丸が呼びかけた熱い言葉がチームを一つにし、3連勝に導いた。「今回はあの時より、もっと大事なハードな感覚ですよ。こんな接戦は僕も初めてですから。でも、それぐらい、この3連戦は『ここだ』という気持ちで臨んでます」。かつて巨人の勝負強さを身に染みて感じた男が、4年ぶりのリーグ制覇へ導いた。(井上 信太郎)

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