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【高校野球】札幌創成が7年ぶりの全道大会に王手…460日ぶり公式戦登板の石井大貴が3回無安打無失点

スポーツ報知 2024年10月3日 6時30分

◆高校野球◇秋季大会全道地区予選 ▽Bブロック 札幌創成8-1札幌平岸=8回コールド=(2日・札幌円山)

 2地区で6試合が行われた。札幌創成は8―1の8回コールドで札幌平岸に勝利し、7年ぶりの秋季全道大会出場に王手をかけた。右肩のけがから復帰した大型右腕・石井大貴(2年)が5回からマウンドに上がり、3回を無安打無失点に抑えた。札幌国際情報はエース右腕・松浦岳玖(2年)が9回1失点で完投し、札幌静修に2ー1で競り勝った。

 未完の大器がマウンドに帰ってきた。昨夏の札幌地区予選以来、460日ぶりの公式戦登板を果たした札幌創成・石井。喜びをかみしめるように48球をミットに向かって投げ込んだ。3イニング目の最後の打者を二ゴロに打ち取ると、188センチの体を揺らしながら勢いよくベンチに戻り「1年生の時より自信がついていたので、楽しく投げられた」と汗をぬぐった。

 5回から2番手で出番が巡ってきた。「初回は力んでしまった」と言いながらも、先頭から2者連続三振。四球と味方の失策で招いた6回無死一、二塁のピンチを切り抜けると、7回は三者凡退に片付けた。復帰登板はオール直球勝負で、3回を無安打4奪三振無失点。この日の最速は137キロで自己最速144キロには届かなかったものの、「真っすぐだけで抑える自信があった。きょうは抜け球が多くて本調子じゃなかったけど、調子が良ければ(140キロ台が)出る」と力でねじ伏せ、外野にすら打球を飛ばさせなかった。

 度重なるけがにめげることなく、はい上がってきた。昨年9月の練習試合中に右足首を骨折すると、今夏には右肩を負傷。1年以上公式戦のマウンドからは遠ざかっていたが、その間に肉体改造に励んだ。筋トレに加えて1日5食、夕食は米3合以上を平らげ、体重は昨秋から15キロ増の90キロに成長。たくましい下半身をつくり上げ、「コントロールが安定した」とけがの功名を口にする。

 チームは7年ぶりの秋全道出場と、22年夏以来7季ぶりの地区突破に王手をかけた。背番号7の岡田啓斗(2年)が完封した1回戦に続き、この日は今秋から投手を始めた3番手・栗谷大和(2年)が1回を無失点に抑えるなど3投手で1失点に抑え「チームとしてはプラス材料」と猫塚郷司監督(40)。次戦の札幌国際情報戦に向け、好調な投手陣を引っ張る背番号1は「やっと大会で投げられてるので、今までの気持ちを全部出したい」とさらなる活躍を誓った。(島山 知房)

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  札幌国際情報・松浦が“九変化(へんげ)”のフォームで初戦突破に導いた。公式戦初登板初先発を完投勝利で飾り、「10安打打たれたけどイニングを最少失点で抑えることを意識しているので、今日も練習試合と同じようにできて良かった」と白い歯を見せた。

 今夏まではオーバースローだったが、元プロ野球選手の有倉雅史監督(57)の助言を受け、9月初旬にサイドと、アンダースローを習得。直球は120キロ台ながら、この日はクイック、二段モーションなど足の上げ方も、それぞれ3種類を使い分けて打者のタイミングを外し、70キロ台のカーブも織り交ぜながら9回を1失点にまとめた。2年連続の全道出場と4季連続の地区突破が懸かる代表決定戦に向け、松浦は「最少失点で最後まで投げ抜く」と腕をまくった。

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