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「全部が中途半端な選手でした」ヤクルト・山崎晃大朗が笑いに満ちたラストゲーム、ナインは粘着テープで背番号「31」

スポーツ報知 2024年10月4日 6時0分

◆JERA セ・リーグ ヤクルト2―5広島(3日・神宮)

 スタンドから降り注がれた温かい拍手を一身に浴びた。引退試合に臨んだヤクルト・山崎晃大朗の打球はゴロで一、二塁間を抜けた。0―1の3回先頭で大瀬良の直球を右前打。「泥臭く内野安打でも何でもいいのでHマークがつけばいい」。渋い当たりに“らしさ”が詰まっていた。さらに2―5の9回2死で最後の打席が回ると、森浦の直球を左前に運び通算356安打目。有終のマルチで9年の現役生活を締めた。

 明るい性格の関西人は誰からも親しまれた。試合前には選手らが粘着テープで作られた背番号「31」を背中に貼り付けた練習着を着用する粋な演出があった。中村からは「(1枚作るのに)3秒もかかっちゃったよ。2枚作って6秒もかかったよ」とイジられ、「愛されてるな」とつぶやいた姿に人柄がにじんだ。

 試合後のセレモニーでは高津監督に促され、サプライズであいさつし「全部が中途半端な選手でした。打っても2割5分、盗塁も2ケタ届かない。打点もちょっと少ない」と自虐ネタを盛り込んだ。2日に涙で引退した青木とは真逆の笑いに満ちたラストゲームだった。

 球団は山崎に、何らかのポストを用意する方針。174センチの小さな体でグラウンドを駆け回ったコータローは「ヤクルトのために尽力していきたい」と第2の人生に進む。(長井 毅)

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