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「ちょっとでも長く投げられたら」巨人・菅野智之が負けても救援陣救った 阪神との天王山で見せた魂の125球完投

スポーツ報知 2024年10月4日 5時30分

 菅野智之投手(34)が結果、背中、言葉でチームを支えた。リーグトップの15勝3敗、防御率1・67の成績はもちろん、要所での熱投や後輩たちへの助言―。リーグVへの最後のターニングポイントとなったのは敗戦こそ喫したが、9月22日の阪神戦(甲子園)で見せた魂の125球の完投だった。

 負けて強し―。両軍にとって重要な天王山で、菅野は頼もしいという言葉を超越するほどの投球を見せていた。2ゲーム差で迎えた2位・阪神との最後の2連戦初戦だった9月22日(甲子園)。6回98球、7回116球、ともにイニング終了後「行きます」と首脳陣に伝えた。8回1失点で黒星も次戦、その後につながる125球の完投だった。

 前日21日はマツダで広島に救援陣が打ち込まれ、逆転負けを喫していた。さらに3連投を解禁していたとはいえ、連投中の投手が複数いたのも事実だった。「やれることは限られているし、ちょっとでも長く投げられたらいいなと思っていた」。前半戦は無理をさせない起用法だったが、後半戦は中4日での先発も託されるなどフル回転。先頭に立つ思いで引っ張ってきた、たくましい背中だった。

 実際、翌23日には実質中3・5日で先発したグリフィンの後にケラーが移籍後初の2イニングを任されるなど、4投手によるリレーで完封勝利。助っ人右腕が「菅野がいい投球をして、中継ぎが休めた」と言えば、杉内投手チーフコーチも「トモが投げてくれたことで中継ぎ陣が元気だったので助かりました」と感謝しており、大きな価値をもたらした。

 1年間、他の投手陣にも結果で好影響を与えてきたのはもちろん、後輩投手陣の登板試合もくまなくチェックし、対話しながら助言も送ってきた。1分けを挟み4連敗中だった5月24日の阪神戦の練習前には、投手陣の中心で菅野がストライクゾーンでの勝負の再確認に加え、「捕手の意思をちゃんとくんで投げなきゃダメだよ」と説いた。小林や戸郷の意見も聞いた上で全体に思いを共有した。

 投手陣だけでなく、若手野手にも同様だった。優勝投手となった9月28日の広島戦(マツダ)の試合前練習時。外野で浅野に歩み寄り、「カバーするから積極的にどんどん行けよ」と声をかけ、グータッチを交わした。若武者にとっては、同21日に右翼守備で後逸して以来のマツダでの一戦。ベテランのひと言が気持ちを楽にさせた。

 オフから15勝や「支える」ことを誓った24年。宮崎キャンプを控えた1月31日にも宮崎神宮を参拝後、参道を歩きながら「しっかり支えられるように、プレーでも引っ張れるようにやっていきます」と改めて思いを口にしていた。有言実行し、リーグVの形に結実した。

 ◆阪神巨人天王山2連戦

 【9月22日・甲子園】阪神12勝11敗1分

巨人000 000 000|0

阪神001 000 00X|1

[勝]才木24試合13勝3敗

[敗]菅野23試合14勝3敗

[S]岩崎58試合4勝4敗23セーブ

 首位・巨人は2位・阪神との天王山2連戦の初戦で完封負けを喫し、1ゲーム差に迫られた。菅野は3敗目を喫したが8回を1失点で完投。リリーフ陣を温存した。

 【同23日・甲子園】12勝12敗1分

巨人000 000 100|1

阪神000 000 000|0

[勝]ケラー49試合1勝2敗1セーブ

[敗]高橋5試合4勝1敗

[S]大勢40試合1勝2敗27セーブ

 中4日の先発・グリフィンから、ケラーが回またぎの2イニング、バルドナード、大勢とつなぎ、完封リレーを飾った。阪神戦での0―1負け翌日の1―0勝利は球団初で、ゲーム差を2に拡大。3年ぶりのCS進出を決め、優勝マジックを4とした。

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