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くふうハヤテの赤堀監督が育成、再生に注力した1年目を総括「2年目は勝ちにこだわりたい」

スポーツ報知 2024年10月4日 6時30分

 くふうハヤテの赤堀元之監督(54)が、3日までに「しずおか報知」の取材に応じた。新規参入したプロ野球のウエスタン・リーグは9月29日で終了し、28勝84敗8分けでリーグ最下位の6位。今季を総括して、来季への課題に触れた。

 静岡でゼロからスタートしたくふうハヤテが、1シーズンを走りきった。3月15日の開幕戦で、相手のオリックスはWBC代表左腕・宮城大弥が先発するなど、NPBの一線級とも対戦。地元出身者として初代指揮官を務めた赤堀監督は「1年目は育成、再生を第一にしていたが、2年目は勝ちにこだわりたい」と言い切った。球団から続投の打診を受けており、前向きに検討していることを明かした。

 育成をテーマに掲げた中、巨人・増田大輝内野手(31)を兄に持つ増田将馬外野手(26)が、NPB未経験者の中ではチーム最多となる104試合に出場。31盗塁でタイトルを獲得した。「可能性がある選手を多く出す考えを貫く中で、走りをアピールさせることができた。育成の成功例」。新球団として大きな成果を残した一方、「(1試合の中で)この選手を使い続けるという考えから、選手を代えることがあまりなかった」と起用の難しさを振り返った。

 月ごとの成績(別表)を見ると、4月だけが勝率3割を超え4割1分2厘。ただ、指揮官の手応えは数字とは異なり「前半はレベルの違いを感じていた。後半は打者、投手陣の頑張りを感じた」という。また、球団別の対戦成績では優勝したソフトバンクに1勝14敗1分け、2位・中日には1勝16敗3分け。上位2球団にはともに1勝しか挙げられなかった。「向こうはドラフトにかかった選手。そこまで勝てるとは思っていない」と、戦力差を踏まえて冷静に振り返った。

 今季最終戦後には「投手中心の野球ができなかった。もう一度立て直す」と来季へのポイントを語っていた。特に目立ったのがリーグ最多の与四球616。ハヤテはドラフトに参加できないため、11月2、3日の球団トライアウトで新戦力獲得に動く。オリックス育成を1年で戦力外になった西浜勇星投手(21)が、ハヤテで登板経験を積んでヤクルトと育成契約を結んだ。この例から「やはりドラフトにかかる選手はコントロールがいい」とNPB経験者を重視する構えだ。

 139試合が組まれたシーズン開幕前は40勝の目標を掲げた。雨天中止をのぞき、120試合を戦い終えた結果は28勝にとどまったが、「熱量のある応援を感じた」とファンに感謝した。「ただ勝っていなくても1年目だから応援してくれていた。2、3年たった時にそのままではいけない」。危機感を胸に、2年目は勝利を追い求める。

(伊藤 明日香)

 ◆赤堀 元之(あかほり・もとゆき)1970年4月7日、藤枝市生まれ。54歳。青島中から静岡高に進学し、2年夏に甲子園出場。88年ドラフト4位で近鉄入り。92年には最優秀防御率と最優秀救援投手の2冠に輝き、最優秀救援投手は5度獲得。プロ16年間で58勝45敗139セーブ。2004年の引退後はオリックス、ヤクルトなどでコーチを歴任し、23年は関西独立リーグの淡路島で監督を務めた。

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