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“浪速のロッキー”ジュニア・赤井英五郎が再起戦 「支えてくれる人にボクシングで恩返ししたい」

スポーツ報知 2024年10月4日 15時18分

◆プロボクシング ▽ミドル級(72・5キロ以下)6回戦 赤井英五郎―ジャン・ウェンハオ(5日、東京・後楽園ホール)

 前日計量が4日、東京・文京区の日本ボクシングコミッションで行われ、ミドル級ノンタイトル6回戦に出場する“浪速のロッキー”赤井英和の長男・英五郎(帝拳)はリミットから300グラム軽い72・2キロで一発パスした。対戦相手のジャン・ウェンハオ(中国)も72・2キロでクリアした。

 戦績は赤井が4勝(3KO)3敗、ジャンはデビュー戦。

 計量後、取材に応じた赤井は「しっかり節制して、ケガもなく順調に来られました」とアピール。相手はデビュー戦で、どんな選手か情報はないが「これまでも相手の映像などはなかったし、準備することは変わらない。自分のことだけ考えてやるだけです」としっかり前を見据えた。

 昨年11月、東日本新人王を獲得し、敢闘賞を手にした赤井。今回は12月の全日本新人王決勝戦で冨永一希(仲里)に3回TKOで敗れて以来、10か月ぶりの再起戦となる。「やっぱり自分は前に行くのが一番いいんじゃないかなって思っていた。前に行けば被弾する確率は上がるから怖いですけど、相手からしてもそれが一番怖いことじゃないかと思って…。決勝で(初回に)ダウンしても(2回に)ダウンし返して攻めたのは教訓になっています。手だけでプレッシャーをかけるのではなく、体全身でプレッシャーを与えられれば。もう、へそからプレッシャーをかけるというか、ただ前に行くだけではなく、たまには下がっても良いから、常にいつも飛びかかっていくぞという姿勢を持っていたい」という。

 9月で30歳になった赤井。この10か月間は、試行錯誤を繰り返しながら、再起に備えてきた。スパーリングも多い時で1日7ラウンドやったこともあった。5週間で週3日、1日平均4~5ラウンドとのべ70~75ラウンドを消化。「これまでで一番やりました。(カルロス)トレーナーが4ラウンドを終えて『もう1回』と。体力面だけではなく、気持ちも強くなったと思う」と手応えを口にした。

 一昨年、父の現役時代の映像をまとめた映画「AKAI」の監督を務めたこともプラスになった。「父は毎回『殺す気で行けよ』と背中を押してくれるが、その言葉を聞きながら、自分で考え、そして自分を確立させている」と赤井。中でも映画に出てくる伝説的な名トレーナー、エディ・タウンゼント氏の言葉が忘れられないという。「『天気の友達』という言葉。勝った時にはほめて、負けた時にはパンチが弱くなったとか、天気の良い時はほめて、悪くなると去って行くことがあって、初めて本当の友達というのがわかる、というもの。今回、トレーナーや先輩たちといっぱい煮詰めながら練習に付き合ってくれました。勝っても負けても応援してくれる人、支えてくれる人に感謝しながら、ボクシングでその恩を返せたらと思う」と赤井は言葉に力を込めていた。

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