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村田昴が8戦全KO勝利のパーフェクトレコードで初の王座を獲得。山崎海斗をダウンの応酬の末に9回TKO

スポーツ報知 2024年10月5日 22時17分

◆プロボクシング▽WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座決定戦12回戦 〇同級1位・村田昴(TKO9回2分46秒)同級2位・山崎海斗●(5日、後楽園ホール)

 倒し屋・村田昴(すばる、27)=帝拳=がダウンの応酬となる打ち合いを制し、8戦全KO勝利で初のタイトル獲得に成功した。山崎海斗(26)=六島=と全勝同士で空位の王座を争い、序盤から激しい打撃戦を展開。初のタイトル戦、初の日本人対決の緊張から1、2回は山崎の右を浴びた。それでも、3回に右フックでダウンを奪い形勢逆転。7回にチャンスを作り、仕留めにかかるが、ガードが甘くなったところに右ストレートを浴び、プロ初ダウンというピンチに。それでも、足とクリンチを駆使して回復すると、9回に連打で2度目のダウンを奪い、フィニッシュ。会場を熱狂の渦に巻き込み、デビューからパーフェクトレコードでの王座獲得を成し遂げた。

 「みなさんには(試合を)楽しんでもらえたと思います。本当は盛り上がる展開にはしたくなかったんですが…」と、ハラハラ、ドキドキの9ラウンドを笑いながら振り返った。そして腰に巻いた赤いベルトを見つめると「初めてのベルトはとてもうれしいです。形あるものですから」と喜んだ。

 空手少年だった村田は、元3階級制覇王者の長谷川穂積に憧れ、小学校5年でボクシングに転向した。高校で3冠を達成し、日大―自衛隊体育学校と進み、その間、全日本選手権でも優勝した。東京五輪への夢が途絶えるとプロ入りを決断し、21年6月に米ラスベガスでプロデビュー。そして8戦全KOというレコードでひとつ目のタイトル獲得と、エリート街道を突き進む。

 課題はディフェンスと自己分析する新チャンピオンは、来年の目標を聞かれると「ベルトを守っていって、上(世界)を狙える実力をつけたい。世界にはまだまだです」。謙虚な言葉を並べながらも、世界への確かな一歩を踏み出した。

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