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J3富山がスコアレスドローでJ2自動昇格圏へ浮上ならず…今季最高の9700人が来場

スポーツ報知 2024年10月6日 21時23分

◆明治安田生命J3リーグ 第31節 富山0-0今治(6日、富山県総合運動公園陸上競技場)

 3位のカターレ富山は、0-0で2位のFC今治に引き分けた。勝てば順位が入れ替わり、J2自動昇格圏内の2位に浮上する大一番で、クラブは「チャレンジ10000人」を掲げて観客動員アップを目指し、この日は9700人が来場。リーグ戦ではチーム歴代4位となる観客数だったが、勝利を届けることはできなかった。試合中、ピッチ脇に立ち続けて指示を送った小田切道治監督は「いつもと違う景色の中、選手たちは最後まで走り抜いたと思う。これだけ多くの声援の中で、勝ち点3を取れず本当に悔しいし、申し訳ないです」と振り返った。

 強力なFW陣がそろう今治に対し、守備陣が無失点に抑えた。パスをつなげられ、何度もピンチを作られたが、抜群の連係で阻止。小田切監督は「相手の強力な前線に対し、良くない時は引いてしまうが、DFラインを下げずに保つことができた。中盤が下がったシーンもあったが、試合中に修正できた」と手応え。常にコミュニケーションを取りながら、ミスしてもお互いにカバーし、身体を張って守った。センターバックのDF今瀬淳也(31)は「守備の役割が個人で明確になっている。積極的なプレーからのミスは、チームでカバーすることを意識している」と話す。

 この日のシュート数は、両チームともに5本。前線のFWマテウス・レイリア(29)にボールが収まらず、サイドからは何度もクロスボールを上げたが、決定的なチャンスはほぼ作れなかった。小田切監督は「背後をケアされた時に、その次の手に欠ける部分があり、攻撃に手詰まり感があった。人数を掛けて守備を固められた時は、どうやってシュートまで持ち込むのか、もう一つ越えないといけない」と課題を挙げた。

 1万人の観客動員を達成するため、スタッフ全員が会社の担当部署に関係なく尽力。チラシを配布したり、SNSや動画で情報を配信。「市町村サンクスデー」も実施したほか、多くのスポンサーに来場を呼びかけた。当日は来場者7000人にオリジナルタオルマフラーをプレゼントし、試合前はスタンドが青く染まった。ゴール裏席には「全ての選手、スタッフ、スポンサー、サポーター一丸で勝利を掴め」の横断幕も。MF高橋馨希(23)は「一戦一戦、選手たちは全てを出して戦っている。試合結果を考えると、ちょっとネガティブになってしまうが、たくさんの応援は心強かった」と感謝。今季は残り7試合、クラブに関わる全員が力を合わせてJ2復帰を目指す。(中田 康博)

 ○…FC今治の服部年宏監督は「サポーターが60人くらい来てくれて、9700人の中でも非常に力になった。最後まで選手はファイトしてくれて、失点ゼロに終われたのは評価できる。2、3位のチームの戦いで、勝ち点差が変わらず、1試合が減ったと捉えたい。残り7試合は全く油断のできない状況が続くが、一つ一つ勝利していきたい」と前を見据えた。

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