オリックス・宮城大弥投手（２３）が７日、今季限りでの辞任を表明した中嶋監督に「生涯恩返し」を誓った。高卒１年目の２０年に２軍監督として指導を受け、成長を支えてくれた存在。「また違う場所で（成長を）見ていてほしいです」と、決意を新たにした。
新人時代に投げられた質問が原点だった。「何で空振り三振が少ないと思う？」。当時は経験も知識も乏しく、答えに困った。「この人を見返したい」。負けず嫌いに火がつき、２１年から３年連続で２ケタ勝利と規定投球回をクリアした。
今季最終の６日・楽天戦は７回表１死で降雨コールド。最優秀防御率のタイトルも規定投球回到達も逃し、悔し涙を流した。「まだ監督を見返せていないので…」と、喪失感に襲われた。
この日、仙台を離れた中嶋監督は「（話すことは）ないで」と、すっきりとした笑顔。宮城と同学年の紅林も「僕が現役のうちは、ずっと監督をやってほしかったです」と、気持ちの整理に必死だ。転換期を迎えるオリックス。それぞれの方法で、恩師を喜ばせる。（長田 亨）