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【高校野球】明徳義塾・内山瑠唯が故郷で完投「感謝しかない」 家族、友人に雄姿届けた

スポーツ報知 2024年10月10日 5時0分

◆国民スポーツ大会 高校野球硬式▽決勝 明徳義塾3-1小松大谷(9日・佐賀県立森林公園野球場)

 決勝が行われ、明徳義塾(高知)が3―1で小松大谷(石川)との接戦を制し、西武・岸潤一郎外野手を擁した2014年以来、10年ぶり2度目の優勝を果たした。背番号1の内山瑠唯(3年)が地元・佐賀で3安打1失点の完投。初の決勝に臨んだ小松大谷は、松井秀喜(元巨人)を擁して優勝した1992年の星稜以来、石川県勢32年ぶりVを逃した。

 故郷のマウンドで、明徳義塾・内山が力投した。3―1の9回2死三塁、投げ合った西川を中飛に打ち取り、試合終了。左手を突き上げた。「本当に何かの運というか。最後の最後の試合をこの球場でできたっていうのは、感謝しかない」。慣れ親しんだ球場でチームを10年ぶりの優勝に導いた。

 「甲子園に行きたいなら来い」。馬淵史郎監督(68)の一言で、内山は佐賀を飛び出した。1年秋から登板機会を勝ち取ったが「けがとか投げれない時期が結構あって、本当に苦しい時期は続いて…」。今夏も、念願の甲子園切符を手にしたが、2年生の池崎安侍朗が2試合を完投。背番号1をつけながら、マウンドには立てなかった。

 国スポでは準決勝で夏の甲子園V・京都国際を破り、迎えた決勝。内山は初戦に続き先発マウンドを託された。「集大成、思いっきり行ってこい」。指揮官に背中を押された左腕は、4種の変化球で打たせて取る投球で3安打1失点。訪れた家族、友人に雄姿を届けた。

 有終の美を飾った3年生の姿に「やっぱり辛抱してやることが大事なんですかね、指導者も選手も」と指揮官。日本一の余韻に浸ることなく、来春センバツ出場を目指して12日の秋季県大会準決勝へ向かう新チームに、内山が最高のバトンを渡した。(瀬川 楓花)

 〇…小松大谷はエース・西川大智(3年)が2戦連続完投も初優勝はならなかった。右腕は1―1の7回、押し出し四球で勝ち越し点を献上。「(味方の)エラーを取り返そうと気持ちが先走って、四球連発になった」と適時打も許し準V。今夏甲子園では2回戦の大阪桐蔭戦で92球マダックスを達成し、初の16強に貢献。国スポでも快進撃を見せ「準優勝やからこそ、大学にも生きてくることがある」と次のステージを見据えた。

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