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【高校野球】士別翔雲が元プロ・大引啓次氏の教えで初の甲子園目指す…秋季全道高校野球大会組み合わせ決定

スポーツ報知 2024年10月10日 6時30分

 来春のセンバツ甲子園につながる第77回秋季全道高校野球大会(16日開幕、プレド)の組み合わせが9日、決まった。3年ぶり3度目の出場となる士別翔雲は、17日の1回戦で駒大苫小牧と対戦する。オリックス、日本ハムなどでプレーした大引啓次氏(40)からの教えを胸に大会初勝利、そして名寄地区から初の甲子園出場を目指して頂点まで駆け上がる。

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 名寄地区の悲願成就へ、士別翔雲が強敵との初戦に臨む。2度の全国制覇を誇る名門・駒大苫小牧との対戦が決まり、大塚叶夢主将(2年)は「私立の強豪校で隙の無いチーム。自分たちにできることをやって、気を引き締めて戦いたい」と腕をまくった。

 地区予選は2戦連続コールド勝ち。危なげなく全道に駒を進めてきた。代表決定戦は最速142キロ右腕のエース・大橋広翔(2年)が7回0封。左手親指の骨折から完全復活した大塚主将らを中心とした打線もつながり、ライバル稚内大谷に7―0で完勝した。

 NPB3球団で活躍した大引氏からの3日間にわたる直接指導の成果もあり、失点は2試合でわずかに1。最高峰の舞台で名手としてプレーした“大引流”の守備動作に加え、走塁技術なども伝授してもらい、「指導のおかげで予選では内野の守備が安定していた。プレー面はもちろん、プロ野球選手の試合前のモチベーションとかも教えてもらって気持ちの面もすごく勉強になっている」と大塚主将。新チーム始動後から増やしている実戦形式の練習でもその教えを取り入れてきた。

 過去2度出場している秋全道で勝利はないが、昨夏の北北海道大会では4強入り。創部後、最も聖地に近づいた。当時の準決勝には現2年生4人がベンチ入りして経験を積んでおり、「地元からでも甲子園に行けるという実感が湧いた。名寄地区から甲子園に行けていないことを知って入学しているので、初めて甲子園に行きたい気持ちは人一倍強い」と大塚主将。部員全員が上川地方北部出身。北海道唯一の甲子園未踏地区から“地元”メンバーで全道の頂点を目指す。(島山 知房)

 ○…北海は22年クラーク以来の大会連覇を狙う。3月のセンバツ甲子園に出場した前チームから主力野手は総入れ替え。経験豊富な投手陣を中心に、堅い守備で地区を勝ち抜いてきた。不調が続いていた松田収司投手(2年)も立命館慶祥との代表決定戦で好投するなど復調気配。佐藤瞭磨主将(2年)は「自分たちの勝ち方が分かってきた。優勝して神宮、センバツの出場権をつかみたい」と意気込みを口にした。

 ○…1899年創部の伝統校・函館中部が、出場校中最少のベンチ入り11人で18年ぶりの白星を目指す。地区では強敵の知内に1―0で完封勝ち。代表決定戦でもエース・斉田龍平投手(2年)が延長10回を1人で投げ抜き、2試合連続完投で全道出場に導いた。母校の監督就任後、秋全道初采配となる弦木裕監督(48)は「先を見ず一つずつやっていきます」と足下を見つめていた。

 北海道高野連は9日、11月3、4日に福島県のヨークいわきスタジアムで「第1回北海道・東北地区高校野球交流試合」を開催すると発表した。来年度以降も継続方針で来年は北海道での開催も検討されている。

 本州の学校と比べて他都府県との交流が少ないことから、道内トップ層の強化を目的に3年ほど前から計画が練られてきた。初回となる今年度は、秋季北海道大会の準優勝校と優勝校に準決勝で敗れた2校、東北からは開催地の福島県から1校、秋季東北大会出場校から1校の計4校で全4試合を実施する。

 北海道代表2校の遠征費約500万円は全額、北海道高野連が負担する。昨年から夏は一部の試合がエスコンフィールド、秋は北海道大会の全試合が札幌ドーム(現・大和ハウスプレミストドーム)で開催されるようになり、昨年度の収入は予算の倍に当たる約8740万円を計上。第1弾として春に実施した全加盟校への新基準バットなどの野球用具配布に続き、第2弾として交流試合を開催する。

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