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男性ソプラノ歌手・岡本知高がデビュー記念日の11・26に仙台で公演「歌が好きという気持ちが伝わって楽しんでもらえれば」

スポーツ報知 2024年10月10日 7時0分

 世界でも珍しい男性ソプラノ歌手「ソプラニスタ」として活躍している岡本知高(47)は、2003年のCDデビューから昨年、20周年を迎えた。その記念として昨年末から全国でコンサートを行い、デビュー日と同じ11月26日には宮城・トークネットホール仙台で公演が開催される。奇跡の歌声と称される岡本が本公演への熱い思いを語った。

 岡本知高ワールド全開のコンサートだ。男性ソプラノ歌手として世界で活躍し、歌声だけではなく個性的なキャラクターと衣装で芸能界でも活躍してきた。宮城では2015年に名取市での開催以来となる単独公演。クラシック歌手としてマイクがなくても圧倒的声量で歌声を届けることができるが、近年のコンサートではマイクを片手に、誰もが楽しめる公演をしてきた。「クラシックのコアなファンの方が僕にクラシックを求めてくると『あれっ?』となるかもしれない。郷ひろみさんの『2億4千万の瞳』など、歌謡曲も岡本流にしてプログラムに組んでいる。コンサートに来たことがない方にこそ、ぜひ来てもらいたい」と呼びかけた。

 高知県宿毛市で生まれ育った。両親は地元の市民合唱団で出会い、10歳離れた兄はヘビーメタル、7歳上の姉はピアノを演奏するなど、音楽好きな家庭で育ったが、英才教育を受けてきたわけではない。個人としては幼少期に股関節の難病「ペルテス病」を患い、小学1年から4年時まで平日は特別支援学校に通い生活。週末のみ自宅に帰ることが許され、車で片道3時間の道のりの中で母親と童謡などを歌ったのが音楽の原点。学校の先生がピアノがうまく姉も演奏していたこともあり、難病が完治した小学5年生から自身も教室に通い音楽と本格的に携わった。

 宿毛中、高では吹奏楽部としてサックスを演奏したが、高校の音楽授業の合唱でパート分けをするため歌ったときに、担任の先生がソプラニスタとしての才能を見いだした。「高校生にもなって高い声で歌うのはおかしいから『(音程を)下げて歌って』とか、『変な声だね』と言われてたら歌手になっていないと思います。ソプラノパートに置いてくれたことはすごく大きかった」。音楽教師を目指し、サックスの道でも音大には行けたが、天性の歌声を生かし国立音大に入学し、現在の活躍につながっている。

 ただ、珍しい声が武器になるから歌っているわけではない。歌うことが本当に好きでしかたないからこそ歌手になり、奇跡の歌声を世に届けている。「世界で一番好きな食べ物がギョーザで、歌う楽しさやお客様が喜んでくださることに対する喜びだとかはギョーザが好きな気持ちと同列。歌が好きという気持ちが分け隔てなく伝わって、楽しんでもらえれば」。本公演でも誰もが気軽に訪れ、楽しめるような構成を組み、笑顔になれる歌声を披露していく。

(山崎 賢人)

 ◆岡本 知高(おかもと・ともたか)1976年12月3日、高知県宿毛市生まれ。47歳。宿毛高では声変わり後も声が低くならずにソプラノ音域が維持されていたこともあり、サックス奏者としてではなく国立音大は声楽科に入学。99年の卒業後はフランス・パリに留学し、2002年にプーランク音楽院を首席で修了。03年のCDデビュー後は国内外のオーケストラなどと共演。21年東京五輪の閉会式ではオリンピック賛歌を独唱した。

 ◇岡本知高CDデビュー20周年記念 Concerto del Sopranista2023―2024宮城公演

 【日時】11月26日午後6時30分開演

 【会場】トークネットホール仙台(仙台市民会館)

 【チケット】全席指定で一般6800円。学生(高校生以下)2500円。※学生はローソンチケットにて取り扱い。未就学児は入場不可。

 【問い合わせ】ミヤギテレビ事業センターTEL022・215・7700(平日午前10時から午後6時まで)。

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