スウェーデン・アカデミーは日本時間１０日、ノーベル文学賞を韓国の女性作家、韓江（ハン・ガン）氏に授与すると発表した。
毎年、有力候補に挙がっている作家・村上春樹氏は今年も受賞を逃した。村上氏は２００６年にノーベル文学賞の登竜門的な位置付けとなるフランツ・カフカ賞を受賞して以降、候補に名が挙がっていた。
村上氏の母校、兵庫県西宮市の香櫨園（こうろえん）小学校では、ランチルームで現地発表の模様をモニターで映し、同級生や学校関係者ら約１０人が見守ったが、重い沈黙が続いた。
村上氏は７５歳。同級生が６０代半ばの頃までは連絡を取り合って当時の担任の先生らと集まって受賞を祈っていた。やがて母校に会場を移し、快挙の瞬間を見るのが恒例だったが、２０２０年ごろから皆が高齢になったため、“同窓会”は見送りとなっていた。
６年時に同じクラスだった頭井（ずい）治男さんは毎年、母校を訪れて期待しているが「また来年。候補に挙がるだけでもすごい。いつか取れる」と希望をつないだ。