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【高校サッカー】古豪・清水東が1990年以来、34年ぶりの優勝を目指す

スポーツ報知 2024年10月12日 8時25分

 全国高校サッカー選手権静岡県大会1次トーナメント(T)の3回戦20試合が12日、県内各地で行われ、プレミア・プリンス勢を除くシード校が初戦を迎える。第3シードの清水東は富士東と対戦。4月に就任したOBの武田直隆監督(46)のもと、まずは決勝T進出、そして1990年以来、34年ぶりの優勝を目指す。

 武田新監督のもと、古豪・清水東が巻き返す。昨年は前線に能力の高い選手がおり、「縦へのロングボールが多かった」とDF村松和波主将(3年)。今季はコンパクトな陣形を保ち、ボールを保持してパスをつなぐスタイルに回帰。静岡市立から母校に帰ってきた指揮官は「伝統のサイド攻撃で崩したい」と県選手権を見据える。

 県ユースAリーグでは開幕3連敗を喫するなど苦しんだ。5月の県総体も初戦で袋井にPK戦で敗れた。だが、夏休みなどの練習でチームは着実にレベルアップしている。Aリーグ首位の東海大静岡翔洋にも、4月は0―4だったが、先月は1―1で引き分けた。「大崩れすることがなくなりました」と監督は手応えをつかんでいる。

 1982年度の全国選手権でチームを初優勝に導いた元監督の勝沢要さん(享年85)が5月に亡くなった。武田監督は高校時代に直接教わってはいないが、県選手権前に激励されたことは記憶に残っている。「その青いユニホームを応援してくれる方がたくさんいるんだぞ」と。その重みを感じながらピッチを駆け回った。4月に教師として戻ってからも「たくさんの先生がサッカー部を応援してくれています」と伝統の重みを実感し、感謝している。それに結果で応えるつもりだ。

 初戦の相手は富士東。県総体ではベスト8だった。ボランチとして中盤を引き締める村松怜哉(1年)は「力があるチームだと思う。油断せず丁寧に戦いたい」と気を引き締める。勝てば4回戦では、吉原と掛川東の勝者と当たる。吉原は、3月まで指揮を執っていた渡辺勝己監督が率いており、村松主将は「成長したところを見せたいですね」と対戦を熱望する。

 もちろん目指すのは34年ぶりの優勝。「3年生にとって最後の大会。目標は全国です」と主将。最後まで粘り、走り続ける。心をひとつにして伝統校を復活させる。(里見 祐司)

 〇…1年生GK望月佑心が両手でキャッチを試みているのは硬式のテニスボールだ。「小、中学時代にはやったことがない」という練習で、コーチがラケットで打ち込む球に鋭く反応し、左右へ思い切り手を伸ばす。これがサッカーボールに変わると「大きく感じて捕りやすいんです」。磨いた反射神経をピッチで生かす。

 ◆清水東サッカー部 全国高校選手権には6度出場し、1982年度の優勝1回、準優勝3回。主なOBに名古屋・長谷川健太監督、沖縄SV・高原直泰CEO、サッカー解説者の武田修宏さん、内田篤人さん。全国高校総体には9度出場して優勝4回。最後の出場は92年。2021年は県総体決勝で静岡学園にPK戦の末に敗れた。

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