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山本由伸、天国か地獄の第5戦で真価 苦手パドレス相手に5回無失点&最速158キロ ダルビッシュ有を上回る

スポーツ報知 2024年10月12日 10時27分

◆米大リーグ、地区シリーズ第5戦 ドジャース―パドレス(11日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・山本由伸投手(26)が11日(日本時間12日)、地区シリーズ第5戦の本拠地・パドレス戦に先発。5回2安打無失点とほぼ完璧な投球で任務を完了した。球数は63球、1四球2奪三振の内容だった。

 パドレス戦はレギュラーシーズンの2試合で0勝1敗、防御率12・00と打ち込まれ、今シリーズでも第1戦で3回5安打5失点でKOされた。過去3試合は全て初回に失点していたが、この日は違った。3年連続首位打者の1番・アラエスをカーブで一ゴロに仕留めると、2番・タティスはスライダーで空振り三振。3番・プロファーは初回最速の97・4マイル(約156・8キロ)で二ゴロに打ち取った。パドレス戦の初回無失点は4試合目で初めてだった。

 2回2死から6番・ボガーツに四球を与えた球は右肩の負傷から復帰後最速となる98・2マイル(約158キロ)を計測した。E・ヘルナンデスのソロで味方が1点を先制した直後の3回は1死から連打を浴び、一、二塁のピンチを背負ったが、好調のタティスをスライダーで三ゴロ併殺。4回は3者凡退、5回も先頭のボガーツから直球で見逃し三振を奪うなど走者を出さずに投げ終えた。

 5回の投球を終えると、ベンチでロバーツ監督とハグ。仲間から次々とたたえられ、大谷翔平投手(30)からは頭をなでなでされるなど最大級の祝福を受けた。

 2勝2敗のタイで迎えた第5戦。勝てば突破、負ければ敗退の運命の大一番で先発を託された。ロバーツ監督は前日会見でも先発を明言せず、第2戦で先発したフラーティの中4日での投入、第4戦に続く「ブルペンデー」も検討していたが、中5日で山本の先発を決めた。

 この日の試合前、指揮官は「我々は彼(山本)が人生をかけて投げる今日の試合に賭ける」と言った。第1戦の試合後には癖などから球種がバレている可能性も指摘されたが、練習の中で右腕は懸命に修正してきた。「由伸はトップクラスの先発投手だから、全員がこの判断に満足している。彼はこの瞬間への準備ができているし、逃げることはない。きっといい投球をするだろう」とロバーツ監督は信頼を寄せた。

 第1戦の試合後、山本は「しっかり反省するところはして、何とか次にプラスにつなげて、とにかく次の試合に向かって練習していけたらと思います」と前を向いた。オリックス時代の昨季も日本シリーズでは初戦で阪神相手に6回途中7失点KOされたが、第6戦では9回1失点完投、14奪三振でリベンジした。ただでは転ばないのが山本由伸という男だ。

 二刀流の大谷を除くと投手史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約465億円=契約当時のレート)の超大型契約で加入した背番号18。1年目から今後の野球人生を左右するかもしれない最高のマウンドが巡ってきた。パドレス・ダルビッシュ有投手(38)とポストシーズン初の日本人先発投手対決で「YOSHINOBU」が真価を発揮した。

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